新変異株で原油価格も…OPECプラス ロシアの思惑は[2021/11/30 20:45]

 新型コロナウイルスの新たな変異株の出現は、原油市場にも大きな影響を与えています。今週に行われるOPEC(石油輸出国機構)プラスに向け、産油国はどのような思惑を描いているのでしょうか。

 オミクロン株の出現によって需要が落ち込むのではないかとの見方が強まり、原油価格は一時、1バレル10ドルも下落しました。

 ただ、OPECプラスの主導的な役割を果たしているロシアの関係者によりますと、今回のロシアの狙いは、あくまで市場を安定化させてコントロールすることで、極端な減産には踏み切らないとの見方が出ています。

 ロシア政治情報センター、アレクセイ・ムーヒン所長:「ロシアにとって最も有益なのは、予測可能で状況をコントロールできるようにするOPECの決定です」

 複数の大手石油企業のコンサルタントも務めるムーヒン所長によりますと、OPECプラスの加盟国は世界で極端な行動制限が広がらないようにWHO(世界保健機関)に働き掛けを行っているということです。

 また、ロシアは今回、短期的な値上げを狙った極端な減産には踏み切らないとしています。むしろこの状況を利用して市場の安定化に一役買うことで、エネルギー市場での影響力をより強いものとする狙いがあるといいます。

 原油価格はロシアのもう一つの主力産業である天然ガスの価格にも直結します。

 ロシアとしては原油、天然ガス双方の市場を、より強いコントロール下に置き、欧米への圧力としたい考えです。

こちらも読まれています