ツタンカーメン王「隕石の鉄剣」…“秘密”明らかに[2022/02/17 11:30]
「20世紀最大の考古学的発見」といわれる古代エジプト・ツタンカーメン王のミイラ。黄金のマスクに包まれた若きファラオの墓で、新たな発見がありました。
明らかになったのは、同じ墓から出土した“剣の秘密”。この剣は、原料が地球のものではなく、鉄を主成分とする隕石(いんせき)だというのです。
当時のエジプトには、製鉄の技術がなく、隕石として降ってきた鉄を加工して剣などを作っていたと考えられていました。
千葉工業大学の研究チームが、エジプト考古学博物館に分析装置を持ち込み調べたところ、この鉄剣から確かに隕石特有の構造が確認されました。
さらには、黄金製のつかの部分からは「しっくい」の成分が検出されたということです。
ただ、エジプトでしっくいが使われ始めたのは、ツタンカーメンの時代の1000年以上、後です。
研究グループが注目したのは、“ある古文書”でした。
そこには、ツタンカーメンの祖父が、メソポタミア北部にあるミタンニ王国から、鉄剣を贈られたとの記録があり、それがこの剣だと推測されるということです。
千葉工業大学・松井孝典学長:「かなり高度な技術がないと、鉄隕石から刀を作ることができない。ツタンカーメンの短剣というのは、どうやって作られたのかということに興味を持った。エジプトで作られたものでなく、ミタンニ王国から贈られたものという、物的証拠を見つけた時が興奮した」
(「グッド!モーニング」2022年2月17日放送分より)