ロシア軍“士気低下”も…注目はプーチン氏に意見できる『3人組』専門家解説[2022/03/28 23:30]

ウクライナ侵攻を続けるロシア軍では「前線の士気が低下している」という指摘があります。

◆ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.ロシア軍の現状をどうみますか)

軍の指揮官たる将校が相次いで死亡していることは、かなり深刻だとみています。ロシアの軍事作戦がうまくいかず戦争が長期化するなか、多くのロシア兵の士気が、低下しつつあることは間違いないと思います。

(Q.将校が死亡は、どういうケースが考えられますか)

実態としてよく分からない部分がありますが、前線でうまくいっていないので、自ら指揮に行かざるを得ない状況に追い込まれているのかもしれません。

(Q.ロシアの政権中枢はどういう構図になっていると考えられますか)

ロシアのプーチン大統領の側近として“レニングラード3人組”という人たちが存在します。安全保障会議書記のニコライ・パトルシェフ氏、連邦保安局長官のアレクサンドル・ボルトニコフ氏、対外情報局長官のセルゲイ・ナルイシキン氏の3人は、レニングラードのKGB時代からプーチン氏と一緒に仕事し、忠誠を誓ってきた人でもあります。

なかでもキーパーソンなのは、安全保障会議書記のパトルシェフ氏です。KGB時代のプーチン氏の師匠のような人物で、プーチン大統領が全幅の信頼を置く唯一の人物とも言われます。10年近く国内治安を担当する大臣をやった後、安全保障会議書記になりました。プーチン大統領が決定を下す、色々な情報をプーチン大統領に上げる場合に、必ずパトルシェフ氏を通じて上げることになりますので、今回の軍事侵攻においても非常に重要な役割を果たした人物だとみています。

最近、プーチン大統領の側近が離反する動きがあります。リベラル派のなかでも特に、経済を担当している要人が、出国したり辞任を表明する事態が発生しています。今のところ、欧米との関係を重視するリベラル派の人たちの動きにとどまっていますが、今後“レニングラード3人組”も含めて、軍・治安・旧KGB関係の人たちがどこまでプーチン大統領と一体となってウクライナでの軍事作戦をやり続けることができるのか。人間関係に温度差がないのかが、プーチン政権の行方を占ううえでは重要になると思います。

(Q.パトルシェフ氏がプーチン大統領を説得する場面はあり得ますか)

側近中の側近で意見を言えるのはパトルシェフ氏ですが、プーチン大統領との間では結束感があります。恐らくウクライナへの軍事侵攻に関しても、2人が一体感を持ちながら進めてきたと思います。

ただ、今回の軍事作戦が失敗だったのではないか、事前のウクライナに関する情報収集・分析が甘かったのではないかという責任を“3人組”が負わされる可能性があります。今後、ロシアが戦況をどう立て直して、ウクライナ問題を解決していくのかは“3人組”の情報収集・分析能力にかかっているところがあります。

今まで情報収集・分析がうまくいきてこなかったことからすると、このまま引きずっていくのか、立て直したうえでウクライナへの関与を続けていくのか。いずれにしてもこの“3人組”は非常に重要なメンバーになります。

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