“停戦協議”“国民投票”市民の受け止めは?ボグダンさんに聞く[2022/03/30 23:30]

キエフ在住で、連日、ウクライナの状況をSNSで情報発信をしているパルホメンコ・ボグダンさんに聞きます。

(Q.“停戦協議”について、どのような情報が入っていて、どのように受け止められているのでしょうか)
日本で報道されているような情報は入ってきています。ただ、我々は“停戦”ということではなく、ウクライナに押され、ロシアがこれ以上、攻撃ができないところにきているなかで、停戦というワードを持ち出して、これからの体制を含めて、一つの言い訳のようなシチュエーションを作っているのだと思っています。今後、ウクライナ国民も大統領も含めて、これをどう終わらせればいいのかわからない状況にあるので、非常に悩まされる状況です。

(Q、きのう、キエフでは、攻撃などは行われたのでしょうか)
ずっと続いていて、この2、3週間のなかで、これだけの爆撃の音、サイレンの音が聞こえたのは、初めてかもしれません。それだけ大変な夜でした。それが停戦協議の間に行われたので、ロシアの嫌がらせだと思っています。

(Q.ロシアは東部、南部に狙いを定め、激しい戦闘が続いています。この状況をどう見ますか)
マリウポリにあるアゾフ連隊の話を涙なくして聞けない状況にあります。逃げることもできない、戦いを続ければ自分の命を落とす。ここがロシアの手に渡ってしまうと、1万4000人のロシア軍兵士が滞在し、新しい基地ができます。そうすると、そこから攻められることになります。非常に複雑な思いで聞いています。行動する方も、見守る方も、情報だけを得ている方も、非常に混乱するような状況にあると思います。

(Q.ロシアが実効支配を始めている地域もあります。戦争を終わらせるためにウクライナ側も妥協せざるを得ないのではないかという声も出始めていますが、大変失礼ですが、これに対してはどう思いますか)
妥協したのがクリミア併合。次にドネツク、さらにルガンスク。妥協という考えは、ウクライナにはありません。この8年間、妥協し続けた結果がいまの戦争ですから。

(Q.ゼレンスキー大統領はぶれていないということでしょうか)
その通りです。ゼレンスキー大統領の狙いは、どういう形であっても戦争を止めることです。それに対しての最善の策は考えます。しかし、クリミアもドネツクもルガンスクもウクライナのテリトリーであって、そこの認識は変わらない。それをロシアに渡すということを国民は誰も許可していません。

(Q.東部の領土の扱いについて、ゼレンスキー大統領は、国民投票で決めるとしていますが、どう思っているのでしょうか)
いままでウクライナの問題は政治家が判断してきました。大統領の考え方によって変わってきました。そこで話し合い、議論を行ってきました。それを止めるためには、国民が進む道を選ぶ。そして選んだことによる責任は自分たちで取るということを、ゼレンスキー大統領は就任したときから考えています。だから、政府が承認するアプリを2020年に作って、投票できるシステムを稼働し、続けています。1300万人の国民がアプリを使っています。投票は簡単にできます。国民が自分で投票して、その結果に責任を持つ。それがゼレンスキー大統領の狙いだと思います。

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