夢かなえるため家族とも別れ…避難民受け入れの課題[2022/04/04 23:30]

ウクライナ国外へ逃れる避難民の数は、連日、数万単位で増え続けています。

避難民20人が政府専用機で日本へ向かいます。今回、来日する避難民に対しては、当面6カ月は支援を行い、その後は状況に応じてサポートを続けていく方針です。今後も来日を希望する人がいれば、さらなる受け入れも検討していきます。

ズラタ・イバシュコワさん(16)は、母親のジュリアさんと共に、ウクライナ東部の街・ドニプロから戦火を逃れ、ポーランドにたどり着きました。今月中の来日を目指しています。

イバシュコワさんと出会ったのは、先月、国境付近で避難民の現状について伝えるため、大越キャスターが中継の準備をしていたときです。日本のメディアとわかり、声をかけてきました。

イバシュコワさんが日本に興味を持ったのは、祖母の家にあった日本語の辞書を手に取ったことがきっかけでした。今は日本の文学にも興味を持っています。
ズラタ・イバシュコワさん:「(太宰治の『人間失格』を)すごく大切にしている。オークションで買って、ようやく買えた。なかなか古い初版です」

日本で叶えたい夢もあります。
ズラタ・イバシュコワさん:「漫画家になって、ずっと住んでいたい。この戦争を見て、自分の“旅”を見て、世界の終わりとか、そういう話を描きたい」

母親のジュリアさん(47)は、貯金を切り崩すなどして、娘一人分の渡航費をなんとか捻出することができました。
母・ジュリアさん:「彼女の夢だから、私は彼女を送り出すだけ。私は家に戻る。犬、祖母、アパート、車、ウクライナのために」

ズラタ・イバシュコワさん:「別の国で1人になったことなかった。いまはないけど、しばらく経ったらさみしくなるけど、夢のためなら何でもする」

日本を避難先に選んだ人たちの想いに、どう応えるか。国内でも動き始めています。日本財団は、避難民がどのような支援を必要とするのか、ウクライナ大使館と協議を進めています。

日本の受け入れ体制の課題とは。
日本財団経営企画広報部・長谷川隆治部長:「身元引受人が引き受けて入って来るが、その方々にも通常の生活がありますし、すべてのことができるわけではないので、政府にお願いしたいのは、(生活や言葉を支える)NPOの支援をどんどん加速させていくので、政府にお願いしたいのは、避難民とのマッチングを進めていただきたい。これまでは、あまり日本の法整備というか、日本では、海外からの難民や避難民を多く受け入れてきたわけではないので、受け入れ体制が整っていないという問題が大きい」

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