【波乱G20】ラブロフ氏と集合写真に「NO」 ゼレンスキー氏「戦争止めねば」[2022/11/15 18:39]

 ロシアのウクライナ侵攻以降、初めて開幕したG20が早くも波乱の展開です。プーチン大統領の代理で出席したラブロフ外相と一緒の写真に収まりたくないとアメリカなどが主張。恒例の写真撮影が見送られる事態となっています。

 インドネシアのバリで開幕したG20サミットがやや波乱の展開となっています。

 まずは前日、ちょっとした騒動が起きました。

 プーチン大統領に代わって出席するロシアのラブロフ外相が現地に到着した後、心臓の問題で病院に搬送されたとAP通信が報道。

 これに対し、ロシア外務省のザハロワ報道官は「フェイクニュース」だと否定し、自ら撮影したとされるラブロフ外相の動画をSNSに投稿しました。

 バリにある宿泊先のテラスとされる映像には、ラフな服装のラブロフ外相の姿が…。足元を見るとなぜか黒い革靴ですが、くつろいだ雰囲気に見えます。

 ロシア、ラブロフ外相:「西側のジャーナリストは正直であってほしい。もっと真実を描き1つの視点に捉われないことです」

 まるでロシアのウクライナ侵攻を巡る西側の報道を揶揄(やゆ)するかのような発言ですが、一部海外メディアは腕にはアップルウォッチ、スマホはiPhone(アイフォーン)、アメリカの画家バスキアのデザインTシャツにバミューダパンツと報道。装いはすっかり西側スタイルです。

 インドネシア政府の関係者によりますと、ラブロフ外相は不整脈のため病院に行き、その後ホテルに戻ったということです。番組では訪れたとされる病院を取材しました。

 病院の広報担当:「G20派遣団の1人が健康チェックのために病院にいたことは事実です。それが誰なのかはお答えできません」

 そのラブロフ外相、15日に開幕したG20サミットに出席。議長国インドネシアのジョゴ大統領が出迎えて記念撮影が行われた一方、サミット開幕恒例の参加国による集合写真の撮影が見送られる事態に…。

 アメリカなどがウクライナ侵攻を続けるロシアと一緒の撮影を拒んだということです。

 ラブロフ外相が参加した7月のG20外相会合でも集合写真は見送られています。

 そんななか、アメリカのバイデン大統領が30分以上遅刻。初日の会合が遅れてスタートしました。実は前日、こんなことが…。

 アメリカ、バイデン大統領:「失礼、風邪気味です」

 3日前、バイデン大統領はカンボジアのフン・セン首相と会談。そのフン・セン首相が新型コロナに感染したことが分かり、風邪気味のバイデン大統領はサミット直前に検査を受けたということです。結果、陰性だったため、予定通り会合には出席しました。

 その会合ではウクライナのゼレンスキー大統領がビデオ演説を行い、ラブロフ外相を前に「今こそロシアの破壊的な戦争を止めなければならない」と訴えました。

 ゼレンスキー大統領は14日、ロシアから奪還した南部ヘルソン市を訪問、住民から熱烈な歓迎を受けました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「戦争の終わりの始まりです」

 イギリスのBBCによると、ゼレンスキー大統領はヘルソンがスイカの名産地であることから「スイカが欲しくて来た」と冗談を飛ばしたということです。

 ロシアのウクライナ侵攻後、初めてとなるG20サミットですが、ロシアへの対応を巡って参加国の足並みがそろわず、G20サミット史上初めて首脳宣言が採択されない可能性も出てきています。

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