キッシンジャー元米国務長官 停戦の条件「ロシアが侵攻前の境界線に達したとき」[2023/01/20 18:37]

 アメリカのキッシンジャー元国務長官(99)はスイスで開かれている「ダボス会議」でオンライン講演し、停戦のタイミングについて「侵攻前の境界線に達したときが合理的だ」という見解を示しました。

 ベトナム戦争終結に向け重要な役割を果たし、その外交手腕が高く評価されるキッシンジャー氏が「ダボス会議」で17日、ウクライナ情勢について語りました。

 キッシンジャー氏は、停戦の条件について「ロシアが侵攻する前の境界線に達した時が合理的だ」とする考えを示しました。

 ウクライナのNATO=北大西洋条約機構加盟については、ロシアによる侵攻を招きかねないとして当初は反対だったとする一方、「現状、ウクライナが中立でいる意味はなく、NATO加入が適切だ」という立場を明らかにしました。

 また、戦争の激化を避けるためには「欧米諸国が対話を継続すべきだ」と提唱しました。

 キッシンジャー氏は1970年代のニクソン政権で大統領補佐官を務め、米中の国交正常化やソ連との冷戦終結に貢献しました。

こちらも読まれています