中国で春節連休のウラで… 抗議デモ“白紙運動”若者を次々拘束[2023/01/21 18:37]

 ゼロコロナ政策を撤廃した中国で、21日から春節の大型連休が始まりました。多くの国民が久しぶりの帰省などを楽しむ一方で、ゼロコロナ政策への抗議デモに参加した若者たちが次々と身柄を拘束されています。

 21日から春節の大型連休が始まった中国。中国当局によりますと、20日までの13日間で飛行機や電車などで移動した人数は、のべ5億2000万人を超えたということです。中国メディアは、そのうちの6割近くが「里帰り」を目的としていると伝えています。

 現在、上海で働く31歳・独身の王さんは今回、3年ぶりの「里帰り」をします。上海から福建省安渓県までは高速鉄道を使って7時間。さらにそこからバスで移動し、ようやく山間にある実家に到着します。

 上海から福建省に帰省・王さん:「懐かしさと久しぶりで、なじめない感があります。昔、見ていた景色と今、見ていた景色では気持ちが全然違います」

 そして、3年ぶりに実家へと帰ってきた王さん。まず、両親にプレゼントしたのはスニーカーでした。息子からスニーカーをプレゼントされた母親の足取りは軽やかになっていました。この後、王さんは母親の肩もみをするなど、しっかりと親孝行もできたといいます。

 父親とは22日の春節に向け、飾り付けの準備です。コロナ禍以降、初めて家族団らんで迎える春節に胸が高まります。一方…。

 曹さん:「皆さんが動画を見る時、私は、すでに警察に連行されているでしょう。他の友達みたいに」

 これはツイッターなどで拡散している動画で、話しているのは「白紙運動」に参加した出版社勤務の曹さんです。

 「白紙運動」とは、中国の厳しい「ゼロコロナ政策」と言論統制に対して抗議の意味を込め「白い紙」を掲げるデモ活動で、白い紙には「白紙であれば、削除できない」という意味合いが込められています。今、この「白紙運動」に参加した人たちが相次いで拘束されているというのです。

 動画によりますと、曹さんは「白紙運動」に参加した2日後に一度、警察に呼ばれ、およそ24時間拘束された後、釈放されました。しかし、その後、12月に入って一緒に参加していた友人などが次々と拘束され、連絡が取れなくなっているということです。

 曹さん:「北京は、最も寒い時期に入っている。家族団らんで過ごす春節が目前にあり、母親たちは防寒着を届けたいと思っていても居場所すら分からない」

 そして、この動画を上げていた曹さん自身もその後、連絡が取れなくなりました。この動画によりますと、去年12月から今月にかけて運動に参加した13人の行方が分からなくなっているということです。

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