国交150周年  大使が語る「美食の国ペルー」[2023/04/03 15:30]

 南米ペルーと日本は、今年8月に国交樹立150周年を迎えます。遠いようで実は“近い”両国の関係を取材しました。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが選定する「ワールド・トラベル・アワード」「世界で最も美食を楽しめる国」部門で過去10年で9度の最優秀賞に輝いたペルー。

 そのペルーを代表するのが…。

 ペルー、セミナリオ駐日大使:「ペルーを象徴する代表料理、セビーチェです。ペルー人皆が好きな料理で、皆作ることができます」

 そう教えてくれたのは、去年日本に着任したセミナリオ大使です。

 ペルーでは、生の魚介を使った料理が食卓の定番として親しまれていて、日本人観光客にも人気だということです。

 そして、ペルーを代表するもう一つの料理が、牛肉と玉ねぎ、トマト、フライドポテトなどを炒めたロモ・サルタード。

 ペルー、セミナリオ駐日大使:「この料理は、アジアとペルーの味を融合させたものです」

 中華鍋を使用し、しょうゆや酢で味付けをするロモ・サルタードは、アジアからの移民をきっかけに生まれた料理と言われています。

 ペルーでは、地域によって気候や地形が異なることから、手に入る食材も様々で、国内で採れるジャガイモの種類はなんと3300種類にも及びます。

 ペルー料理は、このように多種多様な食材にスペインや中国、日本といった多くの国の食文化を取り込んで、独自に進化を遂げてきたのです。

 そんな「美食の国」ペルーの食文化に大きな影響を与えてきた日本とペルーの歴史は、およそ150年も前にさかのぼります。

 セミナリオ駐日大使:「ペルーは、中南米のなかで1番最初に日本と国交を樹立した国です」

 両国は1873年に国交を結ぶと、1899年の4月には日本からの移民790人が主にサトウキビ農園などでの人手不足を補う労働者としてペルーに到着しました。

 当時、日本人移民の出発地だった横浜の地には、日本とペルーの長い歴史を象徴する像があります。

 日本人が初めてペルーに移住してから100周年にあたる年に設置されたのが、ペルーの首都リマにちなんで名付けられた少女の像「リマちゃん」です。

 海の向こう側には「リマちゃん」と向き合い同じポーズをした姉妹の像「さくらちゃん」が…。

 セミナリオ駐日大使:「この姉妹の像は、ペルーと日本の友好を表しています」

 現在12万人の日系人がいるペルー。

 日本の3.4倍の面積におよそ3300万人が暮らしています。

 横浜在住:「日本からすごい飛行距離が長い、乗り継ぎなどで時間がかかる国だなっていう印象」

 日本から飛行機で20時間以上の距離にあり、「遠い国」という印象が強いペルーですが、セミナリオ大使は…。

 セミナリオ駐日大使:「ペルー人にとって日本は決して遠い国ではありません。私たちの心のなかにいる国でとても身近な国です」

 日本人にももっとペルーについて知ってもらい、足を運んでほしいと大使がその魅力を語りました。

 セミナリオ駐日大使:「お勧めする場所、それは全国です。ジャングルや自然、ビーチのほかに山に行けば古代遺跡を楽しむことができます」

 年間2万人の日本人が訪れる世界遺産の「マチュピチュ」や琵琶湖の12倍もの面積がある「チチカカ湖」など、魅力あふれる観光地に恵まれているのが特徴だといいます。

 8月は、ペルーと日本、国交樹立150周年の節目です。

 セミナリオ大使は、両国の関係をさらに深めるには、ペルーという国を日本の人々に知ってもらい、信頼関係を築くことが大切だと考えています。

 セミナリオ駐日大使:「今のこの良好な関係に満足せず、共に協力できる新しい分野を開拓し、どのように関係を深めていけるのか、これからも追求していきたいです。ペルーは皆さんを待っています」

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