中国当局が台湾編集者の「拘束」を認める「国家安全保障を脅かした疑い」[2023/04/26 15:29]

 中国当局は、上海で行方不明になった台湾の有名編集者について「国家安全を脅かす活動に従事した疑いで調査している」と拘束していることを認めました。

 先月に上海を訪れたあと行方が分からなくなっているのは、台湾の出版社「八旗文化」で編集長を務める李延賀さんです。

 八旗文化は新疆ウイグル自治区に関する歴史などを記した翻訳書などを出版していて、内容を問題視した中国当局が李さんを拘束したという見方が広がっていました。

 中国・台湾弁公室の26日の定例会見で、李さんの行方について問われた報道官は「国家安全保障を脅かした疑いで調査中である」と実質的に李さんが拘束状態にあることを認めました。

 八旗文化は日本で発売された新書「新疆ウイグル自治区」の中国語版を出版していました。

 著者の熊倉潤さんは「中国が独自の論理で違反と判断しても常識的な学術研究を出版したにすぎない」「中国政府は台湾の出版文化を多少委縮させることはできても根絶やしにすることはできない」と批判しています。

画像:中央社提供

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