「タイタニック号」観光で消息不明の潜水艇　5年前に社員が「安全上の懸念」

　大西洋に沈む「タイタニック号」の観光ツアーで、5人が乗った潜水艇が消息を絶ったことについて、運営会社の当時の社員が、5年前に安全上の懸念を指摘していたことが明らかになりました。

　2018年に裁判所に提出された文書には、ツアー運営会社の社員が、潜水艇の開発段階で安全性に懸念を示し、その後解雇されたことなどが記されています。

　この社員は、微細な損傷を調べる「非破壊検査」が実施されていないことや、潜水艇に危険な可燃性物質が使われていることなどを指摘し、「乗客を極度の危険にさらす可能性がある」と訴えていました。

　また、水深4000メートルまで乗客を運ぶことを想定していたにも関わらず、潜水艇の前方にあるのぞき窓は、水深1300メートルまでの水圧に耐えられる強度しかなかったということです。