地中海渡る移民が急増 今年だけで死者2153人 過去6年で最悪[2023/07/26 23:15]

 アフリカや中東から地中海などを通ってヨーロッパへと渡った移民の数が今年に入って急増していることが国連の調べで明らかになりました。

 国連のIOM(国際移住機関)によりますと、今年上半期にボートに乗るなどしてヨーロッパへと渡った移民の数が去年の同時期に比べ50%余り増え、約9万5000人に上り、2018年以降では最多となりました。

 そのほとんどが地中海を渡ってきたもので、装備が不十分なボートに定員オーバーで乗っている場合も多く、転覆などにより、今年だけでここ6年では最悪となる2153人の死亡が確認されています。

 アフリカ北部のチュニジアやリビアが主な出発地となっていて、イタリアやギリシャを目指す事例が多いということです。

 先月には700人余りを乗せてリビアを出発した船が転覆し、数百人が犠牲となった事故も起きています。

 移民急増の原因については貧困問題に加え、ウクライナ侵攻による食糧事情の悪化、気候変動により広がる干ばつなどが影響しているものとみられています。

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