「トランプの弱点知れば勝てると思い込むな」 “瀬戸際”のバイデン再選[2023/09/13 12:49]

 2期目を目指す、民主党・バイデン大統領。現職有利と言われる大統領選挙ですが、情勢は決して楽観視できません。

 過去6度にわたって、民主党の大統領選挙に携わってきた経験を持つウィリアム・ガールストン氏は、バイデン大統領の弱点を2つ挙げています。

 1つ目は、国民の生活に直結する物価高の問題です。

 過去6度 大統領選挙に携わる ガールストン氏:「私の意見では、民主党がすべきことはインフレ率を下げ続けることです。バイデン大統領が就任してからの物価高は、再選を阻む最も深刻な障害となっています。重要なことは物価高を抑える一方で、労働者の賃上げを支持する姿勢を示すこと」

 バイデン大統領は「インフラ投資法」や気候変動対策を盛り込んだ「インフレ抑制法」など、立法面での実績をアピールしています。

 しかし、国民がその効果を実感していないなら、こうした戦略は逆効果だとガールストン氏は指摘します。

 過去6度 大統領選挙に携わる ガールストン氏:「私はこれまで6回の大統領選挙に関わってきました。そのなかで『実態と違うこと』を語っても人々を説得することはできないことを学びました。立法面の成果で生活が良くなると伝えても、国民には信じてもらえません。ですから、大統領や側近たちには、立法面の勝利を語り続けないよう勧めたい。無党派の有権者が『大統領は現実の生活とかけ離れている』と感じる恐れがあるためです」

 もう1つ、大きな懸念は80歳というバイデン氏の「年齢」です。

 過去6度 大統領選挙に携わる ガールストン氏:「日本では、年齢を重ねることは知恵の証しとして捉えられることがあるが、アメリカは違います。年齢に対する懸念を完全に払拭することはできないでしょう。なぜなら年をとればとるほど、健康上の問題が生じやすくなるからです」

 トランプ氏の陣営も選挙コマーシャルでバイデン氏の高齢不安をあおる戦略を取っています。

 「年齢」への懸念は、最新の世論調査でも顕著に表れています。
   
 CNNが行った調査では、「バイデン氏が2期目をこなす能力」を不安視する有権者は全体で76%、民主党寄りの支持者に限定しても62%に上っています。

 過去6度 大統領選挙に携わる ガールストン氏:「職務をこなす体力がないという非難には、力強さを見せて対抗するしかありません。バイデン氏は精力的にキャンペーンを展開し、1日に2回はイベントをこなすべきです。(2期目を終える)86歳まで職務をこなせると納得させたいなら、今すぐにでも気力を奮い立たせられることを示した方が良い」

 同じ世論調査では、バイデン氏とトランプ氏が再び相まみえることになった場合、投票先にバイデン氏を選んだ人が46%だったのに対し、トランプ氏が47%と上回る結果も示されています。

 過去6度 大統領選挙に携わる ガールストン氏:「トランプ氏には非常に重要な欠点があるが、それはバイデン氏も同様です。バイデン氏には強みがあるが、トランプ氏にもあります。来年、民主党が勝つにはトランプ氏の弱点を知っていれば十分だと思い込まないことです」

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