ポーランド首相『ウクライナへの武器供与停止』穀物の輸出入を巡る対立が影響か[2023/09/21 19:33]

 ポーランドの首相は「ウクライナへの武器供与は行わない」と発言しました。ウクライナ産穀物の輸出入問題を巡る対立が軍事支援にも影響を及ぼす可能性があります。

 モラビエツキ首相は20日、地元テレビ局のインタビューで「ポーランドは近代的な兵器で武装を進めており、ウクライナへの武器供与は行わない」と述べました。

 ポーランドは、安価なウクライナ産穀物の流入から自国の農業を守るため、EU=ヨーロッパ連合が認めた禁輸措置期限が切れた後も、スロバキア、ハンガリーとともに独自に禁輸措置を続けています。
 
 この措置を受けてウクライナは「国際的なルールに反している」としてWTO=世界貿易機関に3カ国を提訴しました。

 18日にはウクライナのゼレンスキー大統領が国連総会の演説で「連帯を示しているように見えるが、実際にはロシアを間接的に手助けしている」とポーランドなどを批判しました。

 この発言を受け、ポーランド外務省はポーランドに駐在するウクライナ大使を呼び、抗議する事態に発展しています。

 ロシアの侵攻以降、ウクライナの隣国ポーランドは武器供与を積極的に行っているほか、およそ100万人の難民を受け入れるなど最大の支援国の一つです。

 ウクライナがロシアへの反攻を進めるなか、穀物の輸出入を巡る対立が周辺国との結束に亀裂を生じさせつつあります。

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