台湾の世論調査 処理水放出に理解進むも6割が「汚染が心配」[2023/09/27 19:38]

 台湾のシンクタンクが福島第一原発の処理水の海洋放出に対する認識を問う世論調査を行いました。台湾市民の理解は進んでいるものの、「海洋汚染が心配だ」と答えた人は6割を超えました。

 台湾の民間シンクタンク台湾民意基金会は、8月24日から始まった福島第一原発の処理水の放出に関して、海洋汚染を心配しているかどうかを問う世論調査を行いました。

 「心配だ」と答えた人は63.8%で「心配がない」と答えた人の割合31.9%を大きく上回りました。

 台湾民意基金会は、処理水の海洋放出の方針が決まった2021年4月にも同じ調査を行っていて、当時「心配だ」と答えた人の割合は86.8%でした。

 2年間で約20%の市民が放出に理解を示すようになったことになりますが、依然として放出に不信感を持つ市民が多いと浮き彫りになりました。

 一方で、中国政府による日本産水産物の全面禁輸措置についての調査では半数を超える50.4%の市民が「合理的だ」と答え、「合理的でない」と答えた市民34.5%を上回りました。

 調査を行ったシンクタンクの代表者が「中国の政策に台湾市民が理解を示すことは近年珍しい」と話しています。

 この結果について担当者は「良好な日台関係に影響され、日本の決定を尊重したいという層も広がった一方で、中国の政策は『合理的だ』と回答することで直接ノーを言わずに海洋放出に反対をしている市民が一定数いる」と分析しています。

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