イスラエル軍 レバノンで米提供の「白リン弾」使用か 住民9人が負傷[2023/12/12 09:00]

 イスラエル軍が10月にレバノン南部でアメリカが供与した「白リン弾」を使用し、住民に負傷者が出ていたとアメリカメディアが伝えました。

 ワシントン・ポストによりますと、イスラエル軍が10月16日にレバノン南部にある国境近くの町で使用した3発の砲弾の破片を記者が専門家と分析したところ、アメリカで製造された「白リン弾」であることを示す情報が記されていたということです。

 白リン弾は戦場で煙幕を張ったり、照明にしたりする目的で使用され、国際条約などで化学兵器として禁止されてはいないものの、深刻なやけどや呼吸器障害を引き起こす恐れがあり、民間人が住む地域で使用することは非人道的との指摘があります。

 攻撃を受けた町はイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」によるイスラエル攻撃の拠点となっていますが、ワシントン・ポストはレバノン側にイスラエル軍の兵士はおらず、夜間の攻撃で煙幕を張る意味もないとして、白リン弾の使用に疑問を呈しています。

 また、町の住民9人が負傷したと伝えています。

 アメリカNSC(国家安全保障会議)のカービー戦略広報調整官は11日、白リン弾を他国に提供する際には「正当な目的で使用されることを想定している」と述べ、報道内容について懸念を表明し、詳細を調べる意向を示しました。

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