「英史上最大の冤罪だ」首相が新法での補償を明言 郵便局導入の富士通ソフト[2024/01/11 01:40]

 富士通の子会社がイギリスの郵便局向けに提供した会計システムの欠陥により、郵便局長らが横領などで立件された冤罪(えんざい)事件で、スナク首相が被害者の救済を進める考えを明らかにしました。

イギリス スナク首相
「これはイギリスの歴史上最大級の冤罪です。地域社会に貢献しようと懸命に働いていた人たちが自身に何の落ち度もないのに人生を台無しにされました」

 スナク首相は10日、「被害者の無罪を証明し、すみやかに補償を行うために新たな法律を提出する」と明らかにしました。

 イギリスでは1999年から2015年にかけて700人以上の郵便局長らが横領や不正経理の罪で有罪となりました。

 しかしその後、富士通の現地子会社がイギリスの郵便局に提供した会計システムの欠陥により、窓口の現金とシステム上の金額が合わなかった冤罪であることが分かりました。

 ただ、BBCによりますと、これまでに有罪が取り消されたのは93人にとどまっていて、事件を巡る公聴会も2021年から続いています。

 今年の始めにイギリスの民放テレビ局が事件を題材にしたドラマとドキュメンタリー番組を放送したことをきっかけに急速に注目が高まっています。

 イギリス議会下院のビジネス貿易委員会は16日の委員会で富士通の関係者に証言するよう求めています。

 一方、富士通の現地子会社は「調査には全面的に協力する」などとコメントしています。

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