進む侵攻…ガザ市民が“窮状”語る 圧倒的に物資が不足[2024/02/10 12:31]

 イスラエル軍が避難した住民らが数多く身を寄せるガザ地区南部への攻撃を計画するなか、現地に住むパレスチナ人男性がANNの取材に応じその窮状を訴えました。

パレスチナ子どものキャンペーン ハリールさん(36)
「状況はかなり悪いです。すべてが悪化しています」

 ガザ地区南部ラファで家族と避難生活を送るパレスチナ人、ハリールさんが撮影した映像。

 侵攻後、ガザ北部の住民は南へ避難を繰り返し、今では100万人以上がこの地区に身を寄せています。

 支援団体の「パレスチナ子どものキャンペーン」のスタッフでもあるハリールさんは、日本で活動する仲間に“攻撃”がすぐそばに迫る現状を訴えます。

ハリールさん
「いつも空からドローンの音が聞こえる。きのう、おとといと6回以上の爆撃があった。どこに行けばいいのだろうか?ラファにいるすべての市民は何をすればいいのか分からず、恐怖を感じている」

 ガザ地区の人たちを苦しめているのは、イスラエル軍による攻撃だけではありません。

ハリールさん
「毎日子どもたちが死んでいるということを知ってほしい。なぜかって?寒いからだ。たくさん雨が降り、砂も降ってくるので地面はとても汚れている。多くの子どもたちが病気にかかっている。彼らに十分な薬はない。食料も水も不足している」

 圧倒的に物資が不足するなか、先月には日本を含む10カ国以上の支援国がハマスによる奇襲に職員が関与したとしてUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関への資金拠出停止を表明しました。

パレスチナ子どものキャンペーン 手島正之さん
「戦闘に関わりのない市民の生活までを奪ってしまう。生活どころか尊厳を奪われている状態を作っていいのか。支援をないがしろにしていい状態ではない」

 支援団体が支援物資を入れるためには、時間がかかるといいます。

 ガザ地区への支援を続けてきた手島さんは去年末、エジプトにわたり支援物資を調達しましたが、エジプト政府の許可が下りず、1カ月以上経っても、ガザ地区へ搬入できていません

ハリールさん
「どうかガザの中で人間が生きていることを忘れないでほしい。ガザで起きていることが世界中のどの場所でも起きてほしくない。どうか世界中の人たち、ガザで起きていることがあなたがいる場所で起きたらどんな気持ちになるか考えてほしい」

 イスラエルとハマスの衝突から4カ月、いまだ停戦には至らず市民の犠牲は増え続けています。

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