中国・全国政協が閉幕 党指導部の重要性強調[2024/03/10 19:24]

 中国の北京で開かれていた政府への助言機関である全国人民政治協商会議=全国政協が閉幕しました。2000人以上の委員が出席していましたが、4回行われた投票はすべて反対ゼロで可決されました。

 全国政協は中国共産党と各党派や団体の代表が出席し、政策方針を協議するなど政府に助言する会議です。

 10日の閉幕式では全国政協の活動報告などについて投票が行われましたが、2000人以上の委員が出席するなか、4回の投票はすべて反対ゼロで可決されました。

 採択後、共産党ナンバー4で全国政協の主席・王滬寧氏が演説し、「中国式現代化とは中国共産党の指導による社会主義的現代化である」としたうえで、「中国共産党の指導を断固として堅持することによってのみ、中国式現代化は明るい未来を持ち、繁栄することができる」と、習近平国家主席をはじめとする党指導部の重要性を強調しました。

 一方、懸念の声も出ている香港の「国家安全条例」について、全国政協に参加していた香港の立法会議員が記者団の取材に答えました。

香港立法会議員 蘇長栄氏
「(Q.社会から懸念の声があるが?)把握していない」
「(Q.ビジネス環境への影響は出るか?)ない、ない。絶対ないだろう。逆に、ビジネス環境をよく確保できるようになる」

 国家安全条例は2020年に香港で施行された国家安全法を補完するもので、香港の立法会で8日から審議が始まりました。

 「国家秘密」などの定義があいまいで「報道の自由を侵害する恐れがある」と香港記者協会が声明を発表するなど懸念の声が上がっています。

こちらも読まれています