クルド人の「春を告げる」お祭り 課題乗り越え“共生”へ 歩み寄る市民[2024/03/23 12:48]

 中東の各地で開かれたクルド人の「春を告げる」お祭り「ネウロズ」。日本でも在日クルド人らが集まり、毎年開かれています。多くの日本人も参加しました

さいたま市 30代女性
「あまりクルドの女性の人たちって前に出ているイメージがなかったので、楽しそうに踊っている姿を見て幸せな気持ちになった」

 しかし、今年は住民から反対の声が上がり、一時は会場となる公園の使用許可が下りず、開催が危ぶまれていました。

 1990年代からトルコなどから迫害を逃れるため、日本に入国するクルド人が増え、埼玉県南部では2000人以上が暮らしていると言われています。最近は地元住民とのトラブルも多発しています

地元の人
「暴走車みたいな車が速かったり、コンビニでたむろしてたり。威圧感はありますね」
「ゴミのことだけ。缶と生ごみ一緒にしてしまう。注意したってダメ」

 そんななか、クルド人と“共生”を模索する動きも…。

クルド人女性
「私は先月コンビニのアルバイトを始めました」

ボランティア
「この『初め』というのは最初という意味で『始めました』とはちょっと違う意味」

 週1回、ボランティアが日本語を教えています。

支援団体 在日クルド人と共に 温井まどかさん
「私たちとしては当たり前のことが彼ら(在日クルド人)にとっては当たり前ではない。すごく壁を感じて、これは何とかしなければいけないと。日本の文化を理解してもらわなければいけない。そこで初めて共生できると思っています」

日本語教室に参加したクルド人
「皆いつも頑張って教えてくれてうれしいです。私の夢はクルドのお店を考えている。クルドのご飯やお菓子を作って」

 支援団体の働き掛けで公園の使用許可も下り、何とかお祭りは開催できるようになりました。

支援団体 在日クルド人と共に 温井立央さん
「トラブルや事件がないわけではない。原因を探って対応策を考えるのが必要で、クルド民族やクルド人を主語にして排斥するということはあってはいけない。同じ人間として喜怒哀楽を持って地域で暮らしているということをネウロズを通じて感じていただきたい」

 そして迎えた本番。隣の人同士が手をつなぎ、大きな輪が会場に広がります。

日本クルド文化協会 ワッカス・チョーラクさん
「クルド人も日本人も手をつないで平和的に一緒に暮らしていける、お互いに文化を知らせていけるようになった方が良い。皆頑張って話をして平和的に生きていければ」

 日本人とクルド人、課題は残されてはいますが、徐々に良い関係も築かれています。

こちらも読まれています