ハバナ症候群 ロシア軍が関与か 独立系メディア ロシア大統領府報道官「根拠ない」[2024/04/02 10:14]

 アメリカの外交官が世界各地で原因不明の体調不良に襲われる「ハバナ症候群」を巡り、ロシアの独立系メディアが、ロシア軍の諜報機関が関与している可能性が高いと報じました。「音響兵器」が使われたとしています。

 「ハバナ症候群」は2016年にキューバの首都ハバナのアメリカ大使館の職員が突然の吐き気やめまい、幻聴、睡眠障害などの症状を訴え注目されました。

 ドイツやジョージア、中国など各地でアメリカの外交官が同様の症状を訴えています。

 独立系メディア「インサイダー」は1日、ハバナ症候群の発症とGRU=ロシア軍参謀本部情報総局の職員の渡航が重なっていて、明らかな相関関係があると報じました。

 また、この部隊が音響兵器を開発していて、その効果が「ハバナ症候群」の症状と一致しているとも指摘しました。

 今回の調査報道ではハバナ症候群とみられる被害は2014年からとみられ、少なくとも2人の被害者が、発症前にGRU職員を目撃していることも確認しています。

 調査にはアメリカCBSテレビの報道番組「60ミニッツ」とドイツのシュピーゲル紙も協力しました。

 アメリカ政府は昨年3月、「ハバナ症候群」が外国勢力の影響によって引き起こされた可能性は「非常に低い」とする報告書を発表しました。

 「インサイダー」は調査報道を受け、アメリカ政府は新たに捜査を開始できると訴えています。

 また、ロシアの攻撃の意図は不明なものの、多くのアメリカの外交官がロシアでの仕事を避けるようになっていると指摘しています。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官は今回の報道を受け、「根拠がない」とロシアの関与を否定しました。

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