フランスなどに「ピエリック」襲来 ロシア南部では“数十年で最悪の洪水”[2024/04/10 19:27]

 フランスで家が立ち並ぶ町中に次々と白波が押し寄せ、住民が大混乱に陥りました。

■フランスなどに「ピエリック」襲来

 防波堤を越えて押し寄せる白波。たちまち道路は水浸しに。住民たちは歩道脇の段差に上って水を避けます。

 フランス北西部ブルターニュ地方の港町に嵐「ピエリック」が襲来。影響は海峡を隔てたイギリスにも…。

気象予報士
「今後、『ピエリック』はフランスとイギリス全土に到来。最大レベルの暴風雨が予想されます」

 イギリスは、週末に嵐「キャスリーン」が襲ったばかり。相次ぐ暴風雨と高潮によって、海沿いのエリアで浸水被害が発生しました。

■51人乗せたバス 激流で“立ち往生”

 水による被害はアフリカのケニアでも。鉄砲水によって急激に増水した川。あふれ出した水に路線バスが巻き込まれ、激流の中に取り残されてしまいました。川岸に渡したロープを伝って、脱出する乗客たち。51人全員、無事避難できたということです。

■ロシア南部で“数十年で最悪の洪水”

 ロシアでも記録的な洪水が発生しています。

 大量の水に覆われた町。住民の避難が続きます。ロシア南部のオレンブルク州。近くのダムが決壊し、およそ1万戸の住宅が水浸しに。ここ数十年で最悪の洪水となっています。原因は、ウラル山脈からの雪解け水による川の増水。さらに大雨も重なったといいます。

■気候変動は「政府の責任」

 季節外れの暖かさとなっているヨーロッパ。EUの気象情報機関によると、世界の平均気温は先月も史上最高を記録。10カ月連続で過去最高を更新し続けているといいます。

コペルニクス気候変動サービス バージェス副所長
「はっきり言えるのは、私たちが生きているこの時代、人類史上最大の危機に直面しているということです」

 大規模な干ばつによって水不足も深刻化。かつては幻想的な光景を生み出し、人々を魅了したバルセロナの噴水も現在では“枯れた泉”に。

 こうしたなか、歴史の転換点となるかもしれない出来事が…。

欧州人権裁判所 オレアリー長官
「本件において、裁判所はスイス当局のプロセスにいくつかの重大な欠陥があったと認定しました」

 スイス政府の気候変動への取り組みが不十分だとして、高齢女性たちが起こしていた裁判。気候変動を巡って、初めて政府の責任を認める判決が下されたのです。

提訴したグループのメンバー
「とてもうれしい。だって、私たちの子どもたち、その明るい未来に貢献できたのですから」

 今回の判決が適用されるのはスイス政府だけですが、今後、各国の気候変動対策に影響を及ぼす可能性があるとみられています。

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