足かせをつけられたまま…水原容疑者が出廷「大谷選手に謝罪したい」今後は[2024/04/13 23:30]

大谷選手の口座から24億5000万円以上を不正送金したとして訴追された、元通訳の水原一平容疑者。大谷選手は現地メディアに対し…。

(大谷翔平選手)
『司法当局の捜査にとても感謝しています。個人的にはこれで一区切りがついたので、今後は野球に集中したいと思います』

ドジャースのロバーツ監督も、この問題について言及。

(ドジャース・ロバーツ監督)
『事態が明確になったことを喜んでいる。ショウヘイも前に進むことができる。チームメイトもこうしたノイズがプレーに影響を与えないように、本当にうまく対処してくれた』
Q彼から肩の荷が下りた印象は受けた?様子が変わったりは?
『彼の様子を見たが、正直なところ変わらないんだ。彼のポーカーフェイスは一流だからね。彼はとてもストイックな男なんだ。感情を表に出さない』

水原容疑者は日本時間の13日朝、違法賭博問題が発覚して以来、初めて公の場に姿を現しました。

(小松靖記者)
『水原容疑者は弁護士に付き添われて出頭し、現在は連邦当局に拘束されているということです』

水原容疑者は弁護士にコメントを託していました。

(水原一平容疑者)
『大谷選手とその家族、ドジャース、MLBに対して謝罪したいと考えています。ギャンブル依存症の治療も望んでいます』

日本だけでなく、アメリカのメディアも水原容疑者の動向に注目していました。

(米CNNキャスター)
『野球界のスーパースター大谷翔平と、通訳であり、親友である水原一平。しかし、今日から全く違う関係となりました。大谷のパフォーマンスに影響はありますか?』
(米CNN記者)
『当然、影響はあると思っていました。あんな心配事を抱えていたら…。でも実際は逆でした。彼は5試合連続で複数ヒットを打っています』

水原容疑者は、裁判官による審問を受ける際、足かせをつけられたまま、歩いて出廷しました。廷内で取材した記者は…

(力石大輔記者)
『やつれているような印象はあった。最初、裁判官が「Goodmorning,GoodafternoonIppeiMizuhara」って話をして、何も答えない、会話はない。球場でこれまで取材していた僕らの顔を見ても表情は変わらなかった。退廷してどう動いたらいいかわからない時に、弁護士の方をちらっと見て、「俺はどうしたらいいんだ?」と目くばせしてる時だけ、意志が感じられた』

その後、保釈された水原容疑者。保釈の条件には、海外に渡航しないこと、ギャンブル依存症の治療を受けること、大谷選手には接触しないこと、などが含まれています。大谷選手への謝罪を希望していた水原容疑者ですが、連絡を取ってはいけないことになります。

アメリカで活動する吉田大弁護士は、今回の水原容疑者への対応は、“異例”だったと言います。

(国際弁護士吉田大氏)
『今回の場合、いろいろなところで水原氏が(捜査に)協力をしている示唆があったので、当然拘束をする必要はないと思っていたが、当局としては、「拘留している姿を伝えてほしい」、「大きな罪を犯したということを世間に印象付けたい」という意気込みを感じる。司法省としては珍しく記者会見を行い、その翌日に水原氏の出廷を行う、非常に、この日程も含めてあらかじめコーディネートされて、彼らとして最大のパブリシティ(広報効果)を得ることを考え抜かれた裁判日程になっていると思う』

サタデーステーションが注目したのは、アメリカ連邦検察による37ページの訴状、その中で明らかにされた、水原容疑者が不正を行った日付です。大谷選手の当時の状況と照らし合わせると、2人の関係が「最高」ともいえるタイミングで、水原容疑者が裏切っていたことがわかりました。ホームラン46本、投手として9勝。大谷選手が二刀流で歴史的な成績を残した2021年。11月15日には、大谷選手が日本で会見を開いていました。

(大谷翔平選手 2021年11月15日)
Qいろんな苦難を乗り越える中で、一番お世話になった人は?
『まあお世話になったのは、やっぱり一平さんじゃないですか』

大谷選手がお世話になった人として、真っ先に挙げたのが、水原容疑者の名前でした。しかし、まさにこの日、11月15日に、水原容疑者は大谷選手の口座から、初めての不正送金をしたとみられています。この3日後の11月18日、大谷選手は初めてMVPを獲得。すると水原容疑者は…。

(水原一平容疑者のSNS 2021年11月19日)
『長い道のりだった…おめでとう、僕の相棒!この素晴らしい旅のパートナーに僕を選んでくれてありがとう』

ここから2年ほどの期間で、大谷選手の口座から24億5千万円が不正送金されることになります。

去年6月、大谷選手が一か月間でホームラン15本を放ち、絶好調だった頃、水原容疑者は、信用で賭けられる“上限額”を引き上げる「バンプ」を3日連続で胴元に求めていました。

(水原一平容疑者のメッセージ2023年6月22日頃)
『またやられた(笑)最後にもう一回だけ、バンプをもらえるチャンスはあるかな?』

(水原一平容疑者のメッセージ2023年6月23日頃)
『俺って本当に最悪(笑)全然勝てない。最後にバンプしてもらえない?これが最後って誓う!』

(水原一平容疑者のメッセージ2023年6月24日頃)
『困った(笑)最後の最後の最後のバンプもらえる?本当に最後のお願いだ』

平均かけ額はおよそ196万円。1回で2400万円以上賭けたこともあったといいます。

さらに、今年1月、2度目のMVPを獲得した大谷選手は…

(大谷翔平選手 2024年1月27日)
『チームメイトとコーチ陣の皆様が1年を通し、私を助けて励ましてくれたことに感謝します。毎日のサポートをありがたく感じていました。そしてもちろん水原一平さん、いつも支えてくれてありがとうございます』

再び水原容疑者の名前を出し、感謝を伝えました。しかし、水原容疑者は、この授賞式が行われた1月27日の前後、1月から3月の間に、およそ5000万円分の野球カードを大谷選手の口座を使い不正購入。転売目的とみられています。こうして明らかになった多額の負債額、約62億円。そして、1万9000回にもおよぶ賭博回数。なぜこうなってしまったのでしょうか?ギャンブル依存症に詳しい専門家は…

(ギャンブル依存症治療に従事「あきやま病院」福田貴博副院長)
『依存症全般が、脳が病気に乗っ取られる状態だと思う。負けを取り返そうとして掛け金を増やす、冷静だと絶対取り返せないとわかるが、追い込まれてる方々は冷静な判断ができない。雪だるま式に掛け金を増やしていく』

水原容疑者は今後、治療を受けることになります。

(ギャンブル依存症治療に従事「あきやま病院」福田貴博副院長)
『「認知行動療法」と呼ばれるような、どういう状況で自分がギャンブルをやりたくなるのか、そういう状況になった時に、どうやって別の行動に置き換えてギャンブル再発せずに済むのか、いわゆるお勉強』

しかし、ギャンブル依存症の治療は、一筋縄ではいかないといいます。

(ギャンブル依存症治療に従事「あきやま病院」福田貴博副院長)
『一度発病したら治癒することはないで、生涯にわたって治療を続けていく、付き合っていくことが大事。水原容疑者は「依存症だ」と自分で認めて、治療を受けようとしているすごく大事な時期だと思うし、彼の人格とか仕事まで否定されるのは違うんじゃないかなとも思う。病気は病気で治療すればいい』

◇◇◇
高島彩キャスター:
元通訳の水原一平容疑者ですが、今後の動きはどうなるのでしょうか。

板倉朋希アナウンサー:
アメリカ・カリフォルニア州など4つの州で活躍されている吉田弁護士に聞きました。水原容疑者は来月の9日に罪状認否が行われる予定となっていまして、そこで罪を認めると司法取引の内容を裁判官が確認して、その後判決へとなります。万が一、無罪を主張した場合は裁判が始まってそこで再び拘束される可能性もあるということです。吉田弁護士は「もし裁判になると、陪審員がいるので検察側としても、有罪にしたいケースも無罪になってしまう恐れがあるのと、時間もコストもかかるので連邦法の刑事訴訟において、98%が司法取引によって解決しているということでした。

高島彩キャスター:
水原容疑者が何を思っているのか、生の声を聞きたいなと思いますけど柳澤さんはどうご覧になっていますか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
早く終わってほしい、とにかく早く終わってほしい、その一言ですね。

高島彩キャスター:
こういう状況でも大谷選手ホームランを打っていますけど

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
見事ですよね。

高島彩キャスター:
一区切りついたというにお話になってましたからなるべく早く区切りをつけて落ち着いて集中してできる環境においてほしいですよね。

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