「ギャンブルで大きな借金をして彼の金を…」水原被告が有罪答弁 法廷内のやり取り[2024/06/05 10:47]

ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告が4日、銀行詐欺などの罪を認めた法廷内での主なやり取りです。

■午前8時44分ごろ(日本時間5日午前0時44分ごろ)
水原被告がフリードマン弁護士に連れられて法廷内に入る。

■午前8時48分ごろ(日本時間5日午前0時48分ごろ)
弁護士は水原被告に段取りを説明。水原被告は何度か頷き、弁護士に質問したりしていた。やや落ち着かない様子に見える。弁護士がリラックスさせようと、笑顔で話しかける場面があった。

■午前9時ごろ(日本時間5日午前1時ごろ)
裁判官が入廷し開廷。廷内は、報道関係者と傍聴人が約100人いて、ほぼ満席。

書記官:全員、起立願います。

裁判官:みなさん、おはようございます。…。水原さん、おはようございます。もし私が発音を間違っていたら、教えて下さい。水原被告の答弁を有罪答弁に変更する手続きを行い、被告人が宣誓する前に、この有罪答弁の合意書に関して、ひとつ質問があります。問題があるのに、被告人が権利を放棄するようなことがあってはなりませんから。…。私はこの有罪答弁の合意に関与していませんが、この点を説明して下さい。

弁護士:間違いがあるとは思いませんが、検察側とも再度確認させて下さい。…。最終的には裁判所が決定することですが、被告人は新ガイドラインに基づき、さらに2段階の減刑ポイントを得られる資格がある、という意味合いです。罪状が2つあるため、そこで調整が行われます。この事に関して、検察側と話し、被告人にも確認済です。

裁判官:分かりました。きょうは2つの罪状に関し、弁護人と被告人が有罪答弁に切り替えたいということで集まりました。間違いありませんか?

弁護士:その通りです。

裁判官:2人は証言台の前に立って下さい。水原被告、私が有罪答弁を受け入れる前に、権利について十分に確認します。私の質問や私の発言が理解できない場合は、遠慮なく言って下さい。弁護士と話したい場合は、必要な時間を与えます。

水原被告:はい。

裁判官:それでは、宣誓の準備をして下さい。水原被告は右手を挙げて下さい。(水原被告は右手を挙げる)。これから質問されたことに対し、真実のみを話すと誓いますか?

水原被告:はい。

裁判官:ここで偽証すると罪に問われる可能性があることを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:黙秘権があることを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:質問に一切答えない権利もありますが、理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:被告人は黙秘権を放棄しますか?

水原被告:はい。

裁判官:弁護人は同意していますか?

弁護人:はい。

裁判官:水原被告、あなたは何歳ですか?

水原被告:39歳です。

裁判官:学校に何年通いましたか?

水原被告:13年です。

裁判官:高校までということですか?

水原被告:はい、それから、少し、“カレッジスクール”に通いました。

裁判官:あなたは通訳として働いていたと思いますが、念のために聞きます。
必要ならば通訳を雇う権利がありますが、必要ですか?

水原被告:不要です。

裁判官:これから質問する理由は、自分の有罪を認めるという重要な決断を下す能力があり、それを下せる状態かどうかを確認するためです。最近、治療を受けましたか?

水原被告:いいえ。

裁判官:精神疾患や薬物中毒の疑いはありますか?

水原被告:いいえ。

裁判官:薬物やアルコールの影響を受けていますか?

水原被告:いいえ。

裁判官:過去3日以内に薬物やアルコールを摂取しましたか?

水原被告:いいえ。

裁判官:有罪を認めた場合の結果を理解できないような精神状態ですか?

水原被告:いいえ。

裁判官:弁護人は、有罪答弁に向けて被告人と話し合いましたか?

弁護士:はい。

裁判官:被告人がきょう、有罪を認めるべきでないと考える理由は何かありますか?

弁護士:いいえ。

裁判官:被告人は精神状態が正常で、有罪答弁を進める能力があると思いますか?

弁護士:はい。

裁判官:簡易的な起訴状を読み上げる必要がありますか?

水原被告:いいえ。

裁判官:有罪答弁をすれば、無罪の主張、迅速な裁判、陪審員による裁判を受ける権利を失います。裁判では、連邦政府は起訴内容を証明し、有罪を立証する必要があります。弁護人を求める権利、証人を求める権利も失います。こうした説明を弁護士から十分に受け、理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:ここで有罪答弁を受理すると、自身を有罪として、全ての権利を放棄することになります。その権利を放棄しますか?

水原被告:はい。

裁判官:権利の放棄は自発的なものですか?

水原被告:はい。

裁判官:弁護士と良く話し合いましたか?

水原被告:はい。

裁判官:起訴内容について何か質問はありますか?

水原被告:いいえ。

裁判官:最高刑について、質問はありますか。

水原被告:ありません。

裁判官:これは重罪事件です。有罪答弁を受理すれば、あなたを有罪とし、それによって、投票権や公職に就く権利、陪審員を務める権利、銃器を持つ権利、市民権を失う可能性があります。それを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:米国市民でない場合、有罪になれば、米国からの追放、強制送還の可能性があります。場合によっては、帰化や市民権、恩赦、居住資格、将来の米国入国が拒否される可能性があります。理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:被害者への賠償金支払いを命じる場合もあります。

水原被告:はい。

裁判官:特定の財産を合衆国が没収する可能性もあります。

水原被告:はい。

裁判官:有罪答弁した場合、起こりうる結果、最高刑、賠償について理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:受ける可能性がある量刑について、何か質問がありますか?

水原被告:いいえ。

裁判官:量刑のガイドラインについて、説明しなくてはなりません。合衆国が発行したガイドラインから、判決を決めます。この事件について、ガイドラインがどのように適用されるか弁護士と話し合いましたか?

水原被告:はい

裁判官:ただ、私はその範囲に関係なく、最高刑まで禁錮刑に処する可能性もあります。そのことを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:様々な要因で量刑が決まります。これを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:弁護士は、決定前の報告書が提出されるまでは、量刑の範囲を決定することはできません。被告人側と検察側の両方が報告書を確認し、ガイドラインの範囲計算に異議を唱えることは可能です。理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:判決は弁護士が説明した予測と異なる可能性があります。ガイドラインより重い場合もあります。理解していますか?
水原被告:はい。

裁判官:量刑の重さに失望しても、有罪答弁を取り下げる理由にはなりません。いいですね。

水原被告:はい。

裁判官:被告人は有罪答弁の合意書に5月5日に署名したということで間違いありませんか?

弁護人:はい。

裁判官:署名前に本人と十分に話し合いましたか?

弁護人:はい。

裁判官:合意書は水原被告と連邦捜査機関との間のみのものですか?

弁護人:はい。

裁判官:連邦捜査機関から出された証拠を吟味しましたか?

弁護人:はい。

裁判官:被告人へ特定の量刑を約束しましたか?

弁護人:いいえ。

裁判官:検察側へ、法廷で述べられたこと以外に、なにか被告人に約束していますか?

検察側:いいえ。

裁判官:被告人は弁護士の活動に満足していますか?

水原被告:はい。

裁判官:適切なアドバイスを受けられましたか?

水原被告:はい。

裁判官:弁護人と十分に議論する時間はありましたか?

水原被告:はい。

裁判官:有罪答弁の意味は理解していますね?

水原被告:はい。

裁判官:有罪答弁は自分の意思で決めたことですね?

水原被告:はい。

裁判官:きょう有罪答弁を受理すると、禁錮刑を含む量刑を検討することになります。そのことを理解していますか?

水原被告:はい。

裁判官:それでも有罪答弁したいですか?

水原被告:はい。

裁判官:水原被告。自分が有罪だから、有罪答弁をしようとしているのですね?

水原被告:はい。

裁判官:自分の言葉で、何をしたのか教えて下さい。

水原被告:私は被害者A(大谷選手)のために働き、彼の銀行口座にアクセスしました。私はギャンブルで大きな借金をしてしまい、彼の金を使う方法しか思いつきませんでした。彼の銀行口座にアクセスし、口座から資金を送金しました。税の申告はしませんでした。

裁判官:水原被告、あなたの有罪答弁を受理する準備が整いました。連邦政府側は問題ありませんね。

検察側:問題ありません。

裁判官:弁護人も問題ありませんね。

弁護人:問題ありません。

■午前9時46分ごろ(日本時間5日午前1時46分ごろ)

裁判官:第1の罪、銀行詐欺について、どう答弁しますか?有罪ですか、無罪ですか?

水原被告:有罪です。

裁判官:第2の罪、虚偽の納税申告について、どう答弁しますか?有罪ですか、無罪ですか?

水原被告:有罪です。

裁判官:分かりました。連邦政府側は問題ないですか?

検察側:はい。

裁判官:弁護人は?

弁護人:問題ありません。

裁判官:分かりました。水原被告は判決言い渡しのため、10月25日の午後2時に出廷して下さい。

水原被告:はい。

裁判官:それでは10月25日にお会いしましょう。他には?

検察側:ありません。


■午前9時50分ごろ(日本時間5日午前1時50分ごろ)
全員が起立して閉廷

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