“性的マイノリティーに寛容な社会”アピール タイ各地でイベント 観光客誘致へ[2024/06/06 20:02]

 東南アジアで初となる同性婚の法制化を目指すタイでは、性的マイノリティーに寛容な社会をアピールし、観光客誘致につなげる動きが出ています。

 首都バンコクで1日、世界中から性的マイノリティーの当事者らが参加する「プライド・パレード」が行われました。

 タイでは年内にも同性婚が法制化される見通しです。

 パレードは「愛の祭典」をテーマに掲げ、多様性を祝福しました。

パレードの参加者
「(同性婚法制化を)待ち望んでいました。パレードには外国人もいて、とてもカラフルです」

イギリス人観光客
「(タイで)私たちも結婚すべきですね。最高です。道で手をつなげるし、誰も攻撃してこない。素晴らしいことです」

 6月は性的マイノリティーの権利を啓発する「プライド月間」です。

 タイ政府は性的マイノリティー向けの観光に力を入れていて、今月、タイ各地で開かれるイベントには86万人以上の参加を見込み、190億円以上の経済効果があると試算しています。

 また、同性婚の法制化を見込んで新たなサービスを展開する旅行会社もあります。

 バンコクにある旅行会社では、2年前から性的マイノリティーの観光客が安心して旅行できるようなツアーを企画しています。

 従業員の多くが性的マイノリティーの当事者でもあるため、差別のない「LGBTQフレンドリー」の飲食店などガイドブックに載っていないようなおすすめのスポットを紹介して、人気を集めているということです。

旅行会社SiamPride ウィッタヤ・ルアンサシポン代表
「LGBTQフレンドリーのスタッフが案内するので、客は安心して旅行でき、カップルも気にせず手をつなげます」

 この旅行会社は、国として性的マイノリティーを受け入れるイメージが広く認知されることでタイの観光業がより一層成長すると期待します。

旅行会社SiamPride ウィッタヤ・ルアンサシポン代表
「同性婚の経済効果について言えば、結婚式を挙げに世界中からタイへ人々が訪れる可能性を秘めています。新たな形での観光の活性化は単なる選択肢ではなく、経済的に生き残るために必要なことです」

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