太平洋戦争中、アメリカでは12万人の日系人が強制収容を強いられました。トランプ政権移行後、その歴史を書き換えようとする動きがみられ、日系人たちは危機感をつのらせています。
カリフォルニア州の砂漠地帯にあるマンザナー強制収容所跡地。1万人以上の日系人が収容され、アメリカ軍の監視下で共同生活を強いられました。日本軍へ協力する危険があるとして、敵性外国人と認定されていたためです。
戦後、アメリカ政府はこうした事実を公式に謝罪しています。
レーガン大統領(当時)
「日系アメリカ人の強制収容は間違いだったと認めなければなりません。多様だからこそ私たちは世界のあらゆる力を持つことができました。これがアメリカなのです」
それから37年が経った今年6月、トランプ政権がある張り紙を掲示しました。
「アメリカを否定するような内容があれば報告してほしい」
マンザナーで強制収容 ジョイス・オカザキさん(91)
「(アメリカに対し)否定的なものなど何もありません。私たちがどう扱われたか事実があるだけです。政治家は簡単に嘘をつく、トランプ政権がそうであるように」
7歳の時、マンザナー強制収容所で暮らした経験を持つ日系三世のジョイス・オカザキさん。今も列車で連行された日のことが忘れられません。
ジョイス・オカザキさん
「親に『なぜユニオンステーション(ロサンゼルスの駅)にいるの?』と聞いても答えてくれませんでした。列車が到着して銃を持った兵士も現れました。私たちを監視していたのです。持って行けたのはタオルとシーツだけ。他は何も持って行けませんでした」
夏は40℃、冬は氷点下となる砂漠の中にある強制収容所で3年半暮らしました。150人が亡くなったといいます。
お盆の時期になると、今でも日系人は自分たちの歴史を振り返ります。
日系4世 クリステン・フクシマさん
「人間は間違ってしまう。本当の強さは過ちを認めて教訓を学び、前に進むことです。歴史を消し去ることは悪影響の方が多いと思います」
9月にも、政権の判断次第では変えられる可能性があるマンザナー強制収容所の展示。日系人たちの危機感はつのります。
国際
2025年8月13日 12:35
日系人強制収容の歴史 トランプ政権“書き換え”の動き
2025年8月13日 12:35
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