国際

2025年10月2日 18:29

「パレスチナ巡る外交政策に謝罪を」 英政府に請願書を提出 訴訟も検討

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 パレスチナを巡るイギリスの過去の外交政策について、パレスチナ人らがイギリス政府に対して謝罪などを求める請願書を提出しました。代表者がANNの取材に応じました。

請願書を提出 ムニブ・アル・マスリさん(91)
「私たちが望むのは紛争も戦争も国境もない、公正な世界に生きることです」

 パレスチナ人の実業家、ムニブ・アル・マスリさん。

 13歳の時にイギリスの委任統治に反対するデモに参加中、イギリス兵に脚を撃たれて今も障害を抱えています。

 マスリさんら14人は9月、イギリスの過去のパレスチナ政策に関連し、スターマー首相らに宛てた請願書を提出しました。

請願書を提出 ムニブ・アル・マスリさん
「私の人生は『バルフォア宣言』のせいで苦しみに満ちてきました。この恐ろしく前例のない問題が今パレスチナでのジェノサイドを引き起こしているのです」

 1917年にイギリス政府が発表した「バルフォア宣言」は、パレスチナでのユダヤ人の国家建設を支持するものでした。

 マスリさんらはバルフォア宣言とその後のイギリスによるパレスチナの委任統治がパレスチナ人のアイデンティティーを奪ったと主張しています。

 現在のイスラエルとイスラム組織「ハマス」との対立にもつながっているとして、イギリス政府に対し公式な謝罪を求めています。

請願書を提出 ムニブ・アル・マスリさん
「労働党政権によるパレスチナの承認は重要な第一歩であり、これからさらにそれを基盤として進めていく必要があります」

 マスリさんは国際社会と平和的に共存するパレスチナ国家の実現には国家承認だけでなく、イギリス政府が負の歴史を認めることが必要だと訴えています。

 イギリス政府が要請に応じない場合、提訴も検討しているということです。

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