国際

サタデーステーション

2025年10月4日 22:30

一番人気「日本」“思わぬ場所”に殺到で課題も 中国・国慶節“23億人”大移動

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中国で、のべ23億人が移動するとされる「国慶節」の大型連休が始まりました。いま海外旅行先として一番人気の日本。定番の観光地だけでなく、思わぬ場所にも人が!現地取材から、新たな“課題”も見えてきました。(10月4日サタデーステーションOA)

■富士山に殺到…対応に苦労も

報告・仁科健吾アナウンサー(4日富士山5合目)
「後ろにもまたバスが到着しています。中国の観光客でしょうか続々とバスから降りてきます」

やっぱり人気の富士山。数メートル先の視界も霞む悪天候ですが、この賑わいです。

北京から来た観光客
「富士山は一番有名です。全世界で有名。でも今日は見られないから残念!」

その富士山を撮影しようと様々な場所でたくさんの中国人の姿が見られました。

報告・仁科健吾アナウンサー(4日山梨・新倉山浅間公園)
「結構な人だかりができています。道が通れないくらいです」

雨が降り続く中、カメラを構える多くの観光客たち。お目当ては…。「五重塔」と「富士山」を同時におさめられるスポットですが、生憎の天気。

北京から来た観光客(4日山梨・新倉山浅間公園)
「(富士山が)映っていなくても大丈夫です。自分で後から作っちゃいます」

観光客への対応に四苦八苦しているのが、公園を管理する警備員です。

株式会社サクラ 宮下誠社長
「一般の住宅が目の前にあるがそこに観光客が入っちゃう。庭にきれいな花が咲いたとかあると写真を撮りに入ったり」

ゴミを分別せずに捨てたり、トイレにオムツを流して詰まらせたりするなど対応に苦労していると言います。人が押し寄せすぎて黒幕が設置された、あの富士山スポットは今どうなっているのでしょうか。富士山はやはり見えませんが、多くの人だかりが。

河南省から来た観光客
「富士山を撮ったんですけど…がっかりしています。またここに来ます」

■なぜここに?中国人観光客のトレンドは

自然を求めている中国人観光客。こんな場所まで足を伸ばしていました。

報告・高橋和ディレクター(4日和歌山・紀伊勝浦駅)

「那智山行きの路線バスが到着しました。外国人の観光客の方々が一斉にバスに乗り込んでいきます」

ここは、和歌山県の紀伊勝浦駅。東京駅から鉄道を乗り継いで6時間ほどの場所にあります。路線バスが向かったのは、世界遺産「熊野古道」。平安時代以降、貴族も庶民も熊野三山をお参りするために歩いた古の道です。

中国からの観光客(3日熊野本宮大社)
「写真を撮るのに時間がかかるから走りながら巡ります。都会に行くのは嫌です」

取材を進めると、中国人観光客のあるトレンドが見えてきました。

中国からの観光客(4日和歌山・那智勝浦町)
「都会から離れた場所は、より日本の風情を感じられます」

私たちが出会ったのは重慶などからやってきた3人組。SNSで見た熊野古道の景色に魅了され、はるばるやってきました。

中国からの観光客
「そこ歩いていて。私が撮ってあげる」

神秘的な古道を前にすると、撮影タイム。色んなポーズで何枚も撮り続けます。

中国からの観光客
「写真を撮ってもらっていいですか?」

撮影スタッフの手も借りてパチリ。かつては「爆買い」など、「物」で満たした観光スタイルは今、都心を離れ、「記憶」に残すことに重きを置いていると言います。那智の滝を目にすると…。

中国からの観光客
「もう本当に…震えるほどキレイです」

そして、すぐにSNSに投稿。タイトルは、熊野那智大社、山頂の美しい景色。

■高まる地方人気…地域住民に“支障”も

日本の地方人気が高まる一方で地域住民との共生に課題もあります。こちらの女性は4日、バスを間違って乗ってしまったと言います。

地元住民(4日和歌山・那智勝浦町)
「だいぶ遅れてたんですよバスの時間からね。異常なくらいお客さん多いですね」

観光客が多いことで乗り降りに時間がかかるのでしょうか、バスの運行に影響が出ていると言います。別の地域では住宅街で迷惑行為があり生活に支障が出る事態も。

■増え続ける訪日客…“迷惑民泊”も課題に

今年日本を訪れた人は、累計で2800万人超。需要が高まっているのは。

中国から9人で来た観光客(大阪市 4日)
「民泊に泊まりました、家族が多いのでみんな一緒が便利だから」

民泊です。ただ、利用客のマナーを巡っては様々なトラブルも起きています。千葉県では、スーツケースを持った15人ほどの外国人とみられる観光客が住宅の前をふさぎ…別の日には住宅の敷地内に勝手に立ち入り、自転車に足で触れようとするような様子も。また。

近隣住民(大阪市 6月)
「家(民泊)の前でね、花火をするんですよ、朝起きたら花火の跡がいっぱいあって」

近隣住民(大阪市 3日)
「どこの町会もみんなゴミ問題悩んではるみたい、これも一週間以上捨ててあるのかな」

■大阪「特区民泊」新規受付停止へ

大阪では、民泊の開業規制を緩和する「特区民泊」に力を入れてきましたが、住民からの「騒音」や「ゴミ」に関する苦情が倍増。今週、「特区民泊」の新規受付を停止することを発表しました。

民泊を経営する社長(大阪市 4日)
「国関係なく汚く使う方もいるんですけど、(宿泊客が)100人いたら2〜3人くらいかな」

「特区民泊」として営業するこちらの施設では、実際にゴミの件で住民から苦情を受けたことがあるといいます。

民泊を経営する社長(大阪市 4日)
「無断でキャリーケースを入居者用のところ(ゴミ置き場)に入れて帰ったりする人もいる」

こうした苦情を受け、ゴミを部屋の外に出さないよう宿泊客に注意喚起。部屋に残されていたものはスタッフが回収し、適切に処理しているといいます。

民泊を経営する社長(大阪市 4日)
「(民泊側も)できる限りお客さんとコミュニケーション取ったりして、ちゃんと(問題を)解決する。住んでいる方たちの環境を潰してはいけないと思っている」

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