トランプ政権が突き付けた相互関税に今、揺れているのがファストファッションで急成長を遂げているバングラデシュだ。最大の援助国である日本も、経済や安全保障での影響が懸念されている。
■東京・東十条 バングラデシュ人コミュニティー
インドの隣・南アジアに位置するバングラデシュ、国土は日本の4割ほど。人口は日本を上回る1億7000万人余りを数える。去年、学生らの反政府デモが激化し、当時の首相が逃亡するなど国内は混乱を極めた。
そんなバングラデシュの人たちは日本にも多く暮らしている。
東京・北区東十条。ごく普通の駅前商店街だが、よく目を凝らすと…。至る所に見慣れぬ文字が。イスラム教の礼拝堂モスクが一角にあり、礼拝は1日5回、行われている。
実は、東十条は「東京のリトルダッカ」と呼ばれ、バングラデシュ人のコミュニティーがあるのだ。
この街にバングラデシュ人が住み始めたのはおよそ40年前。最初に来日した一人がカウサルさん(61)だ。日本に憧れ、22歳の時にやってきたという。
「日本人が“正直人間”なんで。そういうことを、バングラデシュ人は皆知っている。子ども(の時)から私たちは本で勉強したんです。バングラデシュでも、私たちも昔から(日本を)尊敬する」
カウサルさんは、イスラム教の戒律によって口にすることが許された食べ物=ハラルフードの食材などを販売している。豚肉、アルコールが禁止されていて、それらが原材料に使われた調味料なども口にすることができないという。
こうした店が東十条には数軒あり、バングラデシュ人たちが食材を買い求めに来るという。
■“ハラルラーメン”どんな味?
夫とともに来日して今年で6年目だというモンニさん(25)。
「(Q.東十条は暮らしやすい?)私はバングラデシュ人でイスラム教徒のため、ハラルを食べます。東十条にはハラルがあるので住みやすいです」
現在、2人目を妊娠中。日本での出産に関してはイスラム教徒だからこその、ある悩みがあるという。
「私たちはイスラム教徒なので、女性医師の方がうれしいです」
イスラム教徒の女性は、家族以外の男性に肌を見せてはいけないという教えがあるため、出産を担当するのが男性医師というのは考えられないという。
「日本人の夫の上司が、女性医師のいる病院を調べて見つけてくれました」
ここで、日本について聞いてみた。
「(Q.日本食で好きなものは?)アイスクリームはとてもおいしいですね。チョコレートも好きです。そして、日本のラーメンがとてもおいしいですね」
イスラム教でもラーメン!?食べられるの?
「はい。ハラルラーメンとてもおいしかったです。今では大好きな日本の食べ物です」
こちらは、ハラル料理の専門店。オススメはバングラデシュ人の作る和牛ラーメン。
「このハラル和牛ラーメンがすごい売れていまして、おススメしています」
豚骨が使えないため鶏白湯スープを使用。麺から調味料に至るまでハラル認証された食材だ。
チャーシューではなく、宮崎県産の高級和牛が使用されている。味付けもハラル認証されたタレを使っている。
さて、その味は?
「食べた瞬間は辛みはないが、後からスパイシーさと、レモンの風味を感じる味。おいしいです」
開店から1年、ホサインさんには頼もしい日本人の仲間がいる。
「(Q.トラブルなどは?)それはない。(彼らは)地元のお年寄りには声をかけて、すぐ助けてあげたりしているみたい」
今や日本にとってかけがえのないパートナーとなっている、バングラデシュ。2つの国の未来とは。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年5月2日放送分より)













