イスラエルとイランの交戦が続くなか、アメリカのトランプ大統領が、イランへの攻撃計画を承認したとの報道が出ました。
この報道が出る前、トランプ大統領は、いつにも増して饒舌でした。
「(Q.イランは接触してきたか)した。(Q.何を伝えたのか)『遅すぎる』と言ってやった。(Q.イランに最後通告を)まあ、そうだね。イランも理解している。“究極の最後通告”とでも言うべきか。攻撃をするかもしれないし、しないかもしれない。簡単な話だ。『無条件降伏』とイランが言うだけでいい。あきらめて、核施設を吹き飛ばせばいい」
この発言の数時間後。
「『複数の選択肢が検討されている』とホワイトハウス高官が述べた。イラン政府が、核開発を放棄するか見極めるため、トランプ氏の最終命令は“保留”されているという」
このような記事が出てくること自体が、イランへの圧力とも受け取れます。
しかし、イランは、弾道ミサイルでテルアビブの人口密集地を攻撃。さらに、病院も狙われました。6日前に戦闘が始まって以来、病院が標的になったのは初めてです。
この攻撃が、最後通告に対するイランの返答だとしたら、事態は最悪の方向に進んでいく恐れがあります。
アメリカが検討しているという複数の攻撃オプション。
B2ステルス爆撃機を投入し、フォルドゥの核施設にバンカーバスターを打ち込むことは、選択肢に上がっているといわれています。
地下深くにある核施設は、13トンを超える貫通弾でも破壊するのは難しいという指摘もありますが、
アメリカ軍が保有するB2爆撃機は、20機あります。これらが複数で飛来し、貫通弾を次々に落としていく案が検討されていても不思議ではありません。
しかし、そんなことになれば、イランも死に物狂いで報復に出る可能性が大です。
「イランの有名な格言があります。『誰もイラン人を脅すことはできない』。イランを脅すべきではない。どんな手でも使います。アメリカが軍事介入を決めれば、報復せざるをえない」
アメリカは、その事態に備える動きも見せています。
現在、中東には原子力空母が派遣されていますが、そこにもう1隻、空母『ニミッツ』の打撃群も向かっているとされています。数日で到着する見込みです。
加えて、さらに1隻、新型の原子力空母『ジェラルド・フォード』を中心にした艦隊も、地中海に向かっている可能性が報じられています。
中東には、アメリカ軍基地や軍事施設がいたるところに配置されています。イランが、そこに報復攻撃を行うことが予想されることから、空母3隻という異例の布陣で対応にあたろうとしているとみられます。
最悪の事態を見越し、日本人の退避も進んでいます。
「会社からも、結構、早い時期にヨルダンへの移動を提案されていたが、個人の移動だと途中で何があるかわからない。被害が大きくなっている印象もありますので、このタイミングで出るのがいいのかなと」
イスラエル、イランから合わせて約90人が、陸路で隣国に向かいました。
ただ、アメリカとの正面衝突はなんとか避けたいというイラン側の胸中も漏れ聞こえています。
「イランの上級外交官は、最高指導者が拒否しているにもかかわらず、イランはアメリカとの協議に前向きであると述べた」
イラン外務省の中から、いますぐトランプ大統領と対話すべきという声も上がっているようです。
「最終決断は期限の1秒前にしたい。状況は変わるからだ。特に、戦争は状況が一気に逆転することもある」
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