このあと行われるゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談。そこに、ヨーロッパ各国の首脳らも急きょ、参加することになりました。その狙いとは。
なぜヨーロッパ首脳陣 勢ぞろい?
ホワイトハウスにヨーロッパの首脳らが集う異例の会議。その主役たちがSNSを更新しています。
「あすはホワイトハウスで大事な日となる。これほど多くのヨーロッパの首脳を一度に迎えたことはない」
「私はすでにワシントンに到着している。私たち全員はこの戦争を早急に、そして信頼できる形で終わらせることを強く望んでいる」
およそ8時間後、ホワイトハウスで開催されるゼレンスキー大統領とトランプ大統領の首脳会談。そこにドイツやフランスなど5カ国の首脳に加え、EU(ヨーロッパ連合)、NATO(北大西洋条約機構)の首脳らヨーロッパの名だたる面々が同席することになりました。
フランス マクロン大統領
「あす、ワシントンに集まる人々は誰もが最初から平和を望んでいます」
アメリカメディアは、その背景についてこう報じています。
「ヨーロッパの首脳陣は今回の会談で、トランプ大統領がウクライナに対して圧力をかけるのではないかと懸念している」
トランプ大統領はこれまで、ウクライナとロシアの停戦合意を追及してきました。しかし15日、プーチン大統領との会談の後、態度が一変。
「戦争を終わらせる最善の方法は、“停戦合意”ではなく“和平合意”を目指すことだと全員が判断した」
プーチン大統領が繰り返し主張してきた、和平合意を目指す方針を明らかにしたのです。これに対してニューヨーク・タイムズは「トランプ氏はプーチン氏に屈服した」と批判しています。
ロシア寄りともとれる態度を見せるトランプ大統領が、プーチン大統領の提示した条件を受け入れるよう迫ってくる可能性があるというのです。
今回の会議の焦点は、米ロ首脳会談の後、トランプ大統領が示した2枚のカードについてです。
1枚目のカードは「領土の割譲」です。ロシアは戦線を凍結する見返りに、ウクライナ東部のドンバス地方を譲るよう求めているといいます。トランプ大統領は、ロシアが事実上併合したクリミア半島の割譲を認めることなどが、和平交渉の条件になるとSNSで示唆しました。
EU フォンデアライエン委員長
「ウクライナのあらゆる領土問題に関して私たちの立場は明確です。国境は武力で変えることはできない」
2枚目のカードが「安全の保証」です。戦闘終了後、アメリカとヨーロッパ各国がウクライナに安全の保証を提供することは、ロシアも容認しているとCNNは報じています。
「トランプ大統領が安全の保証についてシグナルを発したことは、私にとってプーチン大統領の考えよりもはるかに重要」
さらに今回の会議では、プーチン大統領を含めた三者会談の実現に向けての話も議題に上がるとみられています。