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ABEMA NEWS

2025年8月20日 07:16

「東京大学は8万円」卒業証書を偽造する中国の業者に接触 ジャーナリストが証言「海外の大学が狙われる」

2025年8月20日 07:16

「東京大学は8万円」卒業証書を偽造する中国の業者に接触 ジャーナリストが証言「海外の大学が狙われる」
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 いま中国で「卒業証書を完璧に偽造する」という闇ビジネスが横行している。        

【映像】東大ほか有名大学の“偽造”卒業証書(実際の映像)

 中国のSNSには「15日でアメリカの大学院の学位を獲得した」「たったの2万元(約40万円)くらいで学位が取得できる」といった投稿があり、上海出身のABEMA的ニュースショー番組スタッフは「中国で昔からある裏ビジネスで、外国や中国国内の名門校の卒業証明書を偽造する業者だ」と説明する。

 その案内を詳しく見ると、卒業証書と卒業証明書、成績証明書の偽造文書を2万元(約40万円)、期間は15〜30日以内で作成できるとある。ほかにもハーバード大学の卒業証書が4999元(約10万円)で、コロラド大学や東京大学、早稲田大学、龍谷大学などの偽造証書と思われるものまで販売されている。DM(ダイレクトメッセージ)で依頼すれば、学校や学部、卒業年まで細かく設定できる仕組みだ。

 どれだけ精巧に偽造されているのか。中国の闇ビジネスに詳しいジャーナリストの周来友氏は、「偽造書類を専門に取り締まっている国際班など、そういう刑事は見てわかるが、普通の交番の警官だとバレない。(偽造書類は)海外の大学を使う。ハーバード大学やロンドン大学、トロント大学……。外国の大学(の証明書)を持ってくると『すごいね』となり、まさか偽物なんて思わない。疑っていても大学に照会するのに時間がかかる」と、海外の大学が狙われているという。

 中国では20年ほど前から、こうした卒業証書偽造ビジネスが横行し始めたとされるが、これも中国の学歴社会と無縁ではない。中国の大学を卒業した、上海出身スタッフは「中国は学歴に厳しい社会だ。公務員や官僚は大卒でないと、そもそも入れない。卒業まですらも頑張ることができない人は、政治家や官僚にはうまく行けない」と話す。

 中国は「どこの大学に行くかで一生が決まる」と言われるほどの超学歴社会だ。入試に失敗した人が、就職活動を有利に進めるために、SNSを通じて、偽造証書を手に入れるとみられる。

 実際にハーバード大に通うとなれば、学力に加えて、学費と寮費を含めて年間約1240万円かかる。しかし約10万円(4999元)払えば、本物と区別がつきにくい卒業を証明する関連書類が手に入る。もちろん発覚すれば罰せられるが、そのリスクを取ってでも大卒の証明が欲しいのだろうか。

 偽造を行っていると思われるアカウントに、実際にDMを送ってみた。「東京大学の卒業証明書はできますか?」と聞くと、「大学ですか、大学院ですか」と返ってきた。「大学院だ」と答えると、「何年卒で欲しいですか」との追加質問が。「2022年でお願いします」と頼むと、「いつまでに欲しいですか」と問われる。「できれば早く欲しい。どれくらいかかるか」と聞き返すと、「だいたい1週間」とのことだった。そして、「卒業証書と卒業証明書と成績証明書、3つセットで4000元(約8万円)」といった金額とともに、「資料を書いて欲しいから送る」と伝えられた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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