日本が主導する第9回アフリカ開発会議=TICAD9が20日から横浜で開幕する。日本はどう存在感を示すのか。
20日からアフリカ開発会議
「我が日本国もこの地域の皆さん方と共に取り組み、アフリカの活力ダイナミズムを取り入れたいと思っております」
石破総理が共同議長を務める、第9回アフリカ開発会議=TICAD9が20日から3日間の日程で開催される。
アフリカの40カ国以上が参加する予定のTICADに、歴代の日本の総理は力を注いできた。
「この会議がきっかけでアジアとアフリカとの協力関係が促進されれば極めて意義深いことです」
1993年、アフリカへの開発援助を目的に日本が主導する形で始まったTICAD。
「アフリカの風が再び東京で吹いております。私はこの風が3日間の議論を経て、日本からアジア、世界をおおい、明るい未来への確信となって、アフリカに届くことを期待してやみません」
2000年代には、アフリカ経済が資源輸出などで高成長を遂げ、2013年のTICADでは、初めてアフリカの首脳と日本の民間企業の代表が直接対話を行った。
そして「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げてきたこの人も…。
「アフリカの未来は明るく、日本とパートナーシップをくむアフリカはもっと明るいのです」
国連では54票にもなり、影響力を持つアフリカ諸国との関係を重視。当初、援助の対象だったアフリカは日本の「パートナー」として投資の対象へと変化していった。
9回目となる今回、石破総理は、一体、どんな構想を描いているのだろうか。
中国が拡大するアフリカ支援
アフリカ支援に日本と中国が熱視線を送る背景には、アメリカによる人道支援の削減がある。
先月1日、アメリカ政府はUSAID=国際開発庁の対外支援事業を正式に停止すると明らかにした。
これによってアフリカ諸国への深刻な影響が懸念されていて、イギリスのインディペンデント紙は今月13日、南アフリカやケニア、ナイジェリアでUSAIDの支援終了によって国民への食料供給が困難になると報じている。
またトランプ政権は先月31日、南アフリカ、リビア、アルジェリアに30%の高関税をかけると発表している。
そうしたなか、これまでアフリカを取り込んできた中国がさらに動きを加速している。習近平国家主席は6月、「中国・アフリカ協力フォーラム」の会議に中国と外交関係があるアフリカ53カ国からの関税品目のすべてを0%にし、後発開発途上国からの中国への輸出にさらなる便宜を提供する用意があると祝辞を送ったという。
そのようななかで日本が力を入れているのが「ナカラ回廊」だ。「ナカラ回廊」とはアフリカ中部のザンビアから、東部のモザンビークの港に至る物流網で、石破総理はTICADでこの「ナカラ回廊」整備の加速化を打ち出す方針だ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年8月20日放送分より)