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2025年8月25日 16:56

世界で広がる“自国ファースト”波は日本にも?『外国人優遇』に不満拡大か

2025年8月25日 16:56

世界で広がる“自国ファースト”波は日本にも?『外国人優遇』に不満拡大か
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石破総理がマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏と会談し、国際組織への800億円を超える支援を約束しました。

こうした政府の海外支援などに対して、「外国人優遇ではないか」という批判の声も上がっています。

日本だけでなく、欧米など世界各国の若者に広がりを見せている、自国ファーストの動きについて見ていきます。

??国際組織に800億円「なぜ他国に金を?」批判も

石破総理が、巨額の支援を表明しました。

石破総理は、8月19日、アメリカのマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏と会談し、途上国の子どもらにワクチン供給を担う国際組織に、今後5年間で、最大約812億円を支援する考えを伝えました。

この方針に、SNSでは、
「日本国民が、景気不安や物価高騰で苦しんでいるなか、なぜ他国へお金を回すのか?海外への貢献も分かるが、今は他国より日本国民のためにお金を使ってほしい」
日本人に810億円使ってくださいよ。あなたの即決、税金なんです」
「海外には気前よくお金を配るのだから、政府は、国民より海外を優先すると言われても仕方ない」

という批判の声も上がりました。

7月の参院選中に行ったANNの世論調査です。
外国人の受け入れについて、
「規制を強化すべき」が、47%
「いまのままでよい」が、33%、
「規制を緩和すべき」が、14%でした。

7月の参院選では、参政党が、
外国人労働者の受け入れ制限
外国人への生活保護支給を停止
外国人参政権を認めない 
など、『日本人ファースト』を掲げ、14議席を獲得しました。

参政党を支持する理由です。

20代男性・大学生
「6月に『日本人を最優先にする』と語る、参政党のYouTubeに出会い応援を決めた」
20代女性・会社員
「3月に参政党をSNSで知り、『日本人が豊かにならないと、おもてなしもできない』という、日本人を大切にする考えに共感」

参議院選挙での、年代別の投票先です。

参政党は、10代と30代でトップ、20代で2位となっています。
10代〜30代の若者世代から、参政党が高い支持を得ていることが分かります。

同志社大学大学院の三牧聖子教授によると、
「欧米で勢力を強める『自国第一主義』が、いま日本でも起きつつある」ということです。
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??アメリカの若者“内向き化”ウクライナ支援に否定的な声も

アメリカの若者の動向です。

8月19日、ロシアのウクライナ侵攻を巡って、トランプ大統領とゼレンスキー大統領、そして、ヨーロッパ各国の首脳らが会談しました。

トランプ大統領は、
この恐ろしい戦いが解決できるか続くのか、1〜2週間のうちに分かるだろう」と話しました。
ロシアとウクライナを巡って、アメリカが介入していることについて、27歳のアメリカ人男性は、
「ウクライナの人はかわいそうだが、私たちも厳しい状況であること変わりはない
「外国へ介入する前に、アメリカ国内の経済回復に集中してほしい」と話しています。

アメリカ国内では、このような否定的な声が増えているということです。

三牧教授によると、
「これまでアメリカは、紛争に関する『世界のリーダー』だったが、経済不安や就職難などを背景に内向きに」なったということです。
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■米で“AI就職氷河期”&物価高 若者は既成政党へ絶望も

なぜ、アメリカの若者が内向きになっているのでしょうか。

大卒の失業率が上がっています。
22〜27歳の大卒者の失業率は、2025年3月は5. 8%と、4年ぶりの高水準で、全米の労働者の平均を大きく上回っています。

新卒採用は狭き門です。

5月にアリゾナ州立大学を卒業したロバートさん、21歳です。
就職するために応募した300件のうち、面接に進めたのは12件、わずか4%でした。
33%は、自動的に不採用通知が届き、残りは返信すらありません
でした。

ロバートさんは、
新卒向けの求人は、非常に少ない。今卒業する知人は、皆、就職活動に苦労している」と話しています。

就職難の背景にあるのは、短時間でプログラミングコードの作成などを行える、生成AIの台頭です。

アメリカのエコノミストは、
新卒レベルの職種は、AIに置き換えたり、少なくともタスクの一部を担ったりできる」と話しています。

住宅費も急上昇しています。

アメリカの不動産会社の調査では、2019年以降、家賃が賃金の1. 5倍の早さで上昇しています。

27歳の男性です。
名門・UCLAを卒業しましたが、金融関係に就職希望も、コロナ禍で就職できず、約1年間アルバイト生活をしました。

その後、銀行に就職できたものの、ロサンゼルスの物価が高すぎて生活が苦しく、物価の安いアリゾナ州へ移住するためにIT系に転職しました。

最終的にこの男性は、
「多少は年収が増えたが、就職について、他の世代より買いたたかれた気もする」と話しています。

このような状況に、SNSでは、
『 新たなアメリカンドリームは、アメリカを去ること』だというコメントも見られます。

こうした中で、トランプ氏が再び現れました。
そして、『アメリカファースト』を追求する姿が、『経済問題が響きやすい若者世代』から支持されました。

同志社大学大学院の三牧教授によると、
「アメリカは、『自国第一主義』や『力強い指導者』を求める心理が、若者の支持につながった。日本の若者にも、『自国第一主義』や『力強い指導者』を求める心理が生まれる可能性も」あるということです。

アメリカの若者が、自国ファーストを支持する一方で、『社会主義』を支持する若者も増えています。

ニューヨーク市長の候補者になったゾーラン・マムダニ氏。
現役のニューヨーク州議会議員で、イスラム教徒です。
民主社会主義者』を名乗り、「不平等がある時代に、億万長者はいらない」と主張しています。

6月に行われた、ニューヨーク市長選の民主党予備選で、元ニューヨーク州知事のクオモ氏に勝利して、11月に行われる、ニューヨーク市長選挙の民主党候補になりました。

マムダニ氏の公約です。

●家賃値上げの凍結
●市営バス・託児所の無償化
●富裕層への増税など、
社会主義的な政策で、若者や移民から支持されています。

三牧教授です。
「アメリカの若者は、既成政党へ絶望を強めている。民主党vs共和党の『左右の政治』から、既成政党vsアウトサイダーの『上下の政治』に変化している」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年8月22日放送分より)

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