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北朝鮮の金正恩総書記が先週に続き、ロシアに派兵されて戦死した兵士の慰労式典を開催した。訪中を控えた金総書記の思惑とは?
専門家「遺族を慰めるという演出」
北朝鮮メディアは、先月29日に金正恩総書記がロシアに派兵され戦死した兵士らの遺族に面会したと伝えた。
「貴重な彼らの命を守ってあげられなかった悲痛を禁じ得ない。遺族たち全員にもう一度贖罪(しょくざい)する」
金総書記自ら北朝鮮の旗に包まれた兵士の遺影を遺族に手渡し、戦死した兵士の子どもを抱き寄せるシーンもあった。
そして、平壌(ピョンヤン)に遺族のための新しい街を作り、子どもには党幹部を養成する学校での教育を提供するとしている。
4月、韓国の国家情報院は北朝鮮がロシアに派遣した兵士は1万5000人以上で、死者600人を含む4700人の死傷者が出ていると推計した。
先月22日にも、兵士や遺族を労い表彰する様子が報じられたばかりだ。
北朝鮮の内情に詳しい毎日新聞・客員編集委員の鈴木琢磨さんは、今回2回目が行われたことに注目しているという。
「1回目やった時に、おそらく101人の亡くなった兵士の写真を壁に掲げて、追悼のセレモニーをしたわけです。それを見て(海外)メディアがこれはおかしいといったんです。少なすぎるのではないかと」
言葉としては出ないが、遺族の間ではロシアのために死んだことに不満が高まっていて、2回目の慰労をしなければならない状況だったのではないかという。
そして、金総書記が「贖罪」という言葉を使ったことについてはこうみている。
「最高指導者が使うには非常に悩ましいぐらいの強い言葉を使って、遺族を慰めるという演出をしたと思います」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年9月1日放送分より)
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