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報道ステーション

2025年9月5日 01:55

“坂の街”リスボンで脱線事故 ケーブルカー大破 16人が死亡

“坂の街”リスボンで脱線事故 ケーブルカー大破 16人が死亡
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ポルトガルの首都リスボンで3日、多くの観光客を乗せたケーブルカーが脱線し建物に衝突。16人が死亡する大事故となりました。坂道が多いことから“坂の街”として知られるリスボン。ケーブルカーはくだり坂で制御を失ったとみられています。

今から140年前、1885年に開業し、観光名所にもなっているケーブルカーの脱線事故。

リスボン市 モエダス市長
「リスボン市民全員が悲しみに暮れています。私たちの街で経験のない悲劇です」
事故現場

“7つの丘の町”と呼ばれるほど起伏が激しく、坂が多いリスボン。事故が起きたのは中心部の広場と展望台を結ぶケーブルカー“グロリア線”です。急こう配の坂道を265メートル走ります。そのルートは石畳の通りを縫うように。約40人が乗れる車両は地元住民が利用するほか、観光客にも人気があり、年間約300万人が利用しています。

事故前のグロリア線

2つの車両が牽引ケーブルの両端に取り付けられていて、片方が下りる際の重量がもう一方を持ち上げるため、両車両が同時に昇降できる仕組みとなっているといいます。事故当時、もう一方の車両に乗っていた人は。

上り方向に乗車していた男性
上り方向に乗車していた男性
「上の車両が下り始めたのを見て、妻に『皆死ぬぞ』と叫んだ。猛スピードで下ってきたから、私たちと衝突すると思った。上から下まで200メートル以上あって、制御不能になると猛スピードになる。カーブがあるから建物に衝突して大きな音がした。

事故の原因は、はっきりと分かってはいませんが、ケーブルが緩んだことが原因と伝える海外メディアもあります。衝突した車両を見ると支えていたケーブルの1本が切れていたためとしています。

ポルトガル モンテネグロ首相
ポルトガル モンテネグロ首相
「我々にとって史上最悪の悲劇の1つです。法医学のチームによる最新の情報では死者16人、重体が5人と確認されました」

リスボンでは半旗が掲げられています。また、事故を受け、他のケーブルカー2路線が運休となりました。運営会社は「全ての点検プログラムは厳格に遵守していた」としています。

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