国際

グッド!モーニング

2025年9月9日 10:52

トランプ氏「とても良い人だった」 80兆円対米投資のぬぐえぬ不透明感

トランプ氏「とても良い人だった」 80兆円対米投資のぬぐえぬ不透明感
広告
1

 トランプ政権との関税交渉が節目を迎えたことを退陣の理由の一つに挙げた石破茂総理大臣。しかし、日本がアメリカに80兆円を投資するという覚書には不透明で不利な条件も含まれていて、課題も残されています。

自民新総裁 難しいかじ取り

石破総理
「“米国関税措置に関する交渉”に、一つの区切りがついた今こそが、そのしかるべきタイミングであると」

 5日に日本の自動車関税を27.5%から15%に引き下げる大統領令に署名したトランプ大統領。7日、こう話しました。

「辞任したことに驚いています」
「辞任したことに驚いています」
「彼(石破総理)のことを知っていたし好きだったので、辞任したことに驚いています。彼は“とても良い人”だし、私たちはとてもいい関係でした」

 「とても良い人だった」というトランプ大統領の評価はどう捉えれば良いのでしょうか?

トランプ大統領の「良い人」とは?
トランプ大統領の「良い人」とは?
みずほリサーチ&テクノロジーズ
小野亮調査部プリンシパル

「トランプ大統領にとって“良い人”というのは、ディール(取引)に応えた人ということだと思います。赤沢さんが何度も足を運び、ラトニック商務長官、ベッセント財務長官との関係性を良好なものに保ったこともあり、(トランプ大統領は)驚いたという反応をみせた」

 しかし、そのディールを巡り、日本にはまだ多くの課題が残されています。

「不平等条約そのもの」
「不平等条約そのもの」
「正直に言えば、メリットは極めて限定的。関税の面での不透明感は消えたわけだが、日米の投資枠組みが条件として加わったことになる。不平等条約そのものになっていると思います」

 日本がアメリカに投資するおよそ80兆円についての覚書。投資先はアメリカ大統領が選ぶことが明記され、日本側がドル建てした資金をアメリカ商務省の事務局が指定する口座に振り込みます。日本が資金を出さない場合は、再び関税が引き上げられる内容が盛り込まれています。

日本には高リスク低リターン
日本には高リスク低リターン

 日本側が金を出すにもかかわらず、利益は日本とアメリカで半分ずつ分け合うことになりました。さらに投資資金を回収した後は、利益の9割をアメリカ側が受け取れる仕組みになっているのです。

 石破総理の後を担うリーダーには、80兆円の運用を巡りトランプ政権と向き合っていく姿勢が求められます。

「今回の覚書を前提にしながら、日本企業にとって不利にならないような条件付けをしていけるか。日本企業が困るような場面になれば、トップ外交に近いような交渉というのが、もう一度必要になる」

(「グッド!モーニング」2025年9月9日放送分より)

広告