トランプ氏の盟友、チャーリー・カーク氏の暗殺に関連して、生前のカーク氏の言動を批判した人が次々に解雇されている。右派と左派の対立という分断がさらに深刻化している。
批判的なSNS投稿「6万3648件」
トランプ大統領の盟友とされる保守派活動家・カーク氏の殺害など、7件の容疑で訴追されたタイラー・ロビンソン容疑者(22)。日本時間の17日朝、オンラインで出廷した。
裁判官が読み上げる罪状を無表情で聞くロビンソン容疑者。現地メディアは、着ているのは自殺防止用のベストとみられると伝えている。
全米に衝撃を与えた事件から、17日で1週間。アメリカでは、いまだ分断が広がり続けている。その現象の一つが、銃撃事件を称賛するようなSNSの投稿だ。
「銃撃は自業自得だ」
「カーク氏の死は、神の贈り物」
カーク氏が銃規制に反対していたことや、左派に対し攻撃的な発言をしていたことなどを理由に、事件を肯定する声がネット上にあふれている。
そして、投稿者が職場から停職や解雇処分を受ける事態が相次いでいるのだ。
大統領警護隊=シークレットサービスのある職員は…。
「彼(カーク氏)は自身の番組で憎悪と人種差別をまき散らしていた。結局のところ、あなたは神に裁かれ、言葉を現実にしているのだ」
FOXニュースによると、この投稿をした職員は停職処分を受けたという。
さらに、解雇された人もいる。
「なぜ皆悲しむのだろうか?彼は『銃には価値がある』と言っていたじゃないか」
アメリカンフットボール、NFLのカロライナ・パンサーズの職員は、この投稿を理由に解雇された。
そして、アメリカのニュース専門放送局、MSNBCに出演する政治アナリストのマシュー・ダウド氏は…。
カーク氏の過去の発言が今回の事件につながった可能性があると指摘したことで、契約解除された。
英紙のガーディアンによると、他にもパイロットや消防士、記者なども停職や解雇処分となったという。
さらにCNNは、事件後にカーク氏に対する批判的なSNSの投稿などを集める「チャーリー・カーク・データ財団」というウェブサイトが開かれたと報じた。
「6万3648件の報告がありました」
カーク氏の銃撃事件を肯定した人たちへの社会的な制裁は、今後拡大していく可能性も出てきている。
保守系から過激発言相次ぐ
カーク氏暗殺を受けて、保守系の人々による過激な言動が目立ってきている。
CNNによると、ユタ州のコックス知事は14日、逮捕されたロビンソン容疑者について「トランスジェンダーのパートナー」がいること、そして「左翼的な思想」を持っていたと語ったという。
コックス知事の発言を受けて、ホワイトハウスにも頻繁に出入りするトランプ大統領に近い保守系インフルエンサーのローラ・ルーマー氏はSNSでこのように投稿した。
過去にはルーマー氏の呼びかけがきっかけで政府高官が解雇されたこともあり、その影響が懸念されている。
そうしたなかアメリカメディアによると、トランプ大統領は14日、次のように発言したという。
ただ、この発言について民主党やアナリストなどから厳しい批判が相次いでいるという。
というのも、6月にミネソタ州で民主党の州議会議員4人が襲撃されて2人が死亡する事件が起きた。アメリカメディアによると、事件直後に共和党所属の上院議員が事件を茶化したジョークをSNSに投稿し、非難されたという。
また2022年に、当時の民主党のペロシ下院議長の自宅に男が押し入り、夫がけがをする事件が起きた。これについてはトランプ大統領が集会で「彼女は家の周囲に壁があるにも関わらず、国境の壁には反対している。家の壁は役に立っていない」とジョークにしたという。
こうしたことから、トランプ大統領の発言は批判されていて、右派と左派の分断がますます深まっている結果となっている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年9月17日放送分より)