アメリカの保守系活動家 チャーリー・カーク氏が射殺され、トランプ大統領が追悼式典に出席した。10万人近い支持者が参加し、トランプ大統領は犯人は「過激化した怪物であり、究極の罰を受けることになるだろう」と述べた。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターで、ノンフィクションライターの石戸諭氏は「事実上の内戦のようなところまで進んでいる」と語る。
「気に入らない政治的な立場の人間たちに対して、いわゆる“キャンセルカルチャー”が進んでいた。リベラル側のキャンセルカルチャーだけではなく、保守派のキャンセルカルチャーまでやってくると“キャンセルの応酬”になっていく。メディアに対する圧力がかつてないほどまで高まってきている中で、トランプ政権の動きはさらに分断を煽る方向にきている」(石戸諭氏、以下同)
また石戸氏は、テロの“政治利用”であると警鐘を鳴らす。
「追悼集会でメインになっていたのはカーク氏の追悼ではなく、いかにリベラル派をバッシングするかだった。テロリストが起こした事件を、政治家が自説を広めるのに利用しているということだ。テロを利用しているのはむしろトランプ氏のほうだ。追悼よりも、事件をいかに高く利用するかという方向に走っている。これは危険な兆候だ」
進むアメリカの“分断”から日本が学ぶことは何だろうか。石戸氏は以下のように見解を示す。
「例えば表現の自由にしても人権の問題にしても、今まで日本の政治や社会運動の中ではアメリカが一つの規範だった。しかしアメリカが規範である時代は、もはや終わりを告げている。アメリカはもう規範ではない。分断が進んではいけないという方向に私たちが学び直さないといけない」
「したがって(分断の)広がりを日本では踏みとどまらなければならない。反面教師としてのアメリカがいま新たに浮かび上がってきている」
(『ABEMAヒルズ』より)