抹茶ブームに沸くイギリスでは、あまりの人気に抹茶が入手困難になるほどです。そこで、次に目をつけられたのが「ほうじ茶」です。
香ばしく「ナッツのよう」
「紅茶の国」イギリスで今、Z世代を中心に抹茶が大ブームになっています。多くのカフェで抹茶がメニューに取り入れられています。
日本からイギリスに向けた抹茶を含む日本茶の輸出量は、おととしから去年にかけて2.9倍に。今年は半年過ぎた時点で、すでに去年を上回っています。
人気のあまり、手に入らないという声も聞かれました。
「これまで抹茶は一年中購入できましたが、今ではみんなが買い占めているのです。抹茶を確保するのはとても難しい仕事です」
需要が高まり抹茶の入手が困難になるなか、新たに注目されているのが、ほうじ茶です。
イギリスの有力紙フィナンシャル・タイムズは今、抹茶を差し置いて、ほうじ茶が最も話題の飲み物だと伝えました。
おととしからほうじ茶を提供しているロンドンの日本茶専門店。この夏は、去年に比べて注文数が1.5倍に増えました。
クラウディア・ボイヤー共同代表
「(ほうじ茶は)カフェインが少なめで香ばしくておいしい飲み物で、抹茶の代わりとしての注文が増えています。“カフェイン控えめな抹茶”として最適な選択肢です」
抹茶とほうじ茶は同じ緑茶に分類されますが、製造方法が違います。
抹茶は一定期間日光を遮って育てた茶葉を蒸してからもまずに乾燥し、茎や葉脈を除いた「碾茶(てんちゃ)」を微粉末にひいたもので、手間がかかります。
一方、ほうじ茶は一般的に下級の煎茶や番茶などを強火でほうじて作った茶で、香ばしい香りと味が特徴です。
「抹茶に少し飽きたのでほうじ茶を試しました。炭火の風味がして、ナッツのような繊細な味わいが気に入りました」
ほうじ茶ブームが起こる?
イギリス発の「ほうじ茶ドリンク」にも脚光が当たっています。
炭酸でほうじ茶の香ばしい香りが増しています。ほんのり甘くてすっきりしていて、味の濃い洋食にもよく合いそうです。
ロンドンのメーカーが2019年から製造しているスパークリングほうじ茶「SAICHO」。静岡県産の茶葉を水出しし、ブドウ果汁と合わせたこの商品は、日本を含む世界18カ国に流通していて、特に今イギリス国内での売り上げが伸びているということです。
「(Q.ほうじ茶ブームが起こると思う?)はい。抹茶の供給不足から、ほうじ茶は一部で広がりを見せています」
(「グッド!モーニング」2025年10月3日放送分より)