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2025年10月4日 02:38

“政府閉鎖”民主党に責任押し付け…トランプ大統領 国内外で“戦争” 余波は日本にも

“政府閉鎖”民主党に責任押し付け…トランプ大統領 国内外で“戦争” 余波は日本にも
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アメリカのトランプ大統領は、政府機関の一部閉鎖をめぐり、民主党に責任を押し付けています。

政府閉鎖とは、予算が期限までに議会を通らず、業務や機関が一時停止されることです。

政府閉鎖といえば、思い出されるのは2018年の自由の女神が閉鎖。今回は、自由の女神のもとには、自由に行き来することができます。

アメリカ内務省
アメリカ内務省
「トランプ大統領のリーダーシップにより、引き続き公開する」
自宅待機

ただ、ワシントンにあるジョージ・ワシントンの功績を称える塔、図書館などでは職員が出勤できず閉鎖。文化施設にとどまらず、証券取引委員会やNASA、農務省、労働省などでも、職員が自宅待機となり、施設の閉鎖や業務縮小が始まっています。

それだけでは済みません。

ホワイトハウス レビット報道官
ホワイトハウス レビット報道官
「残念ながら政府閉鎖の2日目です。(Q.政権が閉鎖中に見込んでいる職員解雇の規模は)数千人規模になりそうです」

これは、トランプ大統領が仕掛け続けている“戦争の一環”なのかもしれません。

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「戦争は嫌い」が口癖でした。しかし。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領(先月5日)
「国防総省と呼ばれていたが、今後は『戦争省』としたい」

第二次世界大戦直後まで使われていた『戦争省』の名称を復活させました。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領(先月30日)
「アメリカは内側からの侵略を受けている。諸君は、重要な役割を果たしてもらう。これも戦争。内側からの戦争だ」

軍を動かすことに抵抗があるのかと思いきや、州兵は簡単に派遣へと踏み切ります。民主党の首長がいて、反トランプデモが起きている地域です。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領(先月30日)
「左翼民主党の都市が問題のようだ。サンフランシスコやシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスは、非常に治安が悪い。我々が一つずつ片付けていく。“戦争長官”には危険な都市を軍や州兵の訓練場に使えと言った」

“トランプの戦争”は、ほかにも。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領(去年3月)
「我々アメリカは、カルテルに戦争を仕掛けるべきだ」
麻薬船

ベネズエラの船舶を“麻薬船”と位置付け、アメリカ軍を動かして船員を殺害。積み荷を押収することはなく、本来の湾岸警備隊に取り締まらせなかったことに批判の声が上がっていますが、トランプ大統領は「合衆国に対する武力攻撃に該当する」などと議会に正当性を訴えました。

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一時帰休

今回、問題となっている政府閉鎖。
一時帰休は、75万人に及ぶと議会予算局は推定しています。大量解雇もちらつかせいますが、それらの原因についても、こう述べました。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領(1日)
「解雇の可能性があるのは、民主党の責任で、彼らが推す事業は永久に打ち切りたい」
トランプ政権 共和党

そもそも政府閉鎖は、トランプ政権や共和党が、医療支援の削減を要求したことから起きました。

上院

予算案の場合、上院では60議席以上をとらないと可決とならないため、本来は、与野党の協力が不可欠です。

同志社大学大学院 三牧聖子教授
同志社大学大学院 三牧聖子教授
「来年秋に中間選挙が迫っていて、両党ともに、自分たちが妥協して予算を通したと見られたくない。むしろこの機会に 私たちは、民主党的なプログラムを廃絶、停止したり、民主党の地盤に打撃を与えるのだというアピールにひかれる人がより多い。いまのかなり強硬な与党の姿勢を考えると、民主党のほうが折れないと、予算が成立しないかもと」
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ワシントンで起きている政局は、日本にも余波が。

海軍基地

毎年20万人が訪れる横須賀の花火大会。そのうちの半分、10万人は海軍基地の中から見ることができていました。しかし。

米海軍横須賀基地
米海軍横須賀基地
「本国政府からの指示のもと、基地全体としてイベントを控える」

アメリカ軍基地の協力なしに花火大会は行えず、政府閉鎖の余波で、3日前に中止となりました。

国内だけでなく、国外をも巻き込んでいる民主党を相手にしたトランプ大統領の戦争。
任期は、3年以上あり、まだまだ始まりに過ぎません。

民主党会派 サンダース上院議員
民主党会派 サンダース上院議員(先月30日)
「まともな人間は、政府閉鎖を望まず、傷つく人がいることに私も心苦しい。『都市を侵略して軍事演習せよ』としたり、メディアを脅したりしている。こういった権威主義への動きにも立ち向かわねば。いまのアメリカは、おそらく、南北戦争以来、最も危険な時を迎えているでしょう」
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