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2025年10月10日 02:49

トランプ大統領が直電で家族に…“ガザ和平案” 第1段階で合意 懸念される第2段階

トランプ大統領が直電で家族に…“ガザ和平案” 第1段階で合意 懸念される第2段階
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パレスチナのガザ地区で続く戦闘終結に向けた和平案について、イスラエルとイスラム組織『ハマス』は、第一段階として、停戦を実施し、人質解放することなどに合意しました。

それは、ホワイトハウスで8日に行われていた会議中のことです。
ルビオ国務長官が入室。隣の閣僚からメモ帳を拝借し、40秒ほど、筆を走らせます。そのメモをトランプ大統領に手渡します。紙に目を通したトランプ大統領に、ルビオ国務長官が耳打ちします。メモには『一番に合意を発表できるよう、SNSへの投稿を承認してください』と書かれていました。

この2時間後。

アメリカ トランプ大統領のSNS
アメリカ トランプ大統領のSNS
「イスラエルとハマスが共に和平計画の第一段階に合意したことを、大変、誇りに思う。これは強固で永続的な平和への第一歩だ」

知らせを聞いた人たちは、歓喜に沸きました。

一部の人質家族には、トランプ大統領自ら、一報を伝えました。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
「月曜日、人質は全員、戻って来る」
人質の家族
人質の家族
「息子が帰ってきます。お母さんが待っているわよ。息ができないほど感激しています。どう説明したらいいか。なんて声をかけたらいいの。思い切り抱きしめて、キスをするわ」
人質の家族
人質の家族
「言葉にならないほどの幸せでいっぱいになるだろう。イスラエル国民であることを本当に誇りに思うよ」
和平案の第一段階

和平案の第一段階に含まれるのは、人質全員の解放だけではありません。
戦闘の即時停止、イスラエル側に収監されている2000人のパレスチナ人の釈放、ガザ地区内のイスラエル軍が数キロ後退、大量の支援物資搬入もセットです。

イスラエル政府

和平案には、すでにイスラエルとハマス、双方が合意しており、このあと、イスラエル側が閣議で承認すれば、正式に停戦が始まることになります。すでにイスラエル政府が「ガザへの攻撃を停止した」と発表していることから、第1段階はスムーズに進んでいるように見えます。

しかし、第2段階への道のりは険しいかもしれません。

防衛大学校 立山良司名誉教授
防衛大学校 立山良司名誉教授
「今後、ガザを誰がどう統治するのか。暫定統治機関をつくっていくわけだが、暫定統治機関にハマスは入らない。ハマスが交渉当事者になれないから、パレスチナ側は、誰が交渉に参加するか、今の段階ではまったくわからない。第2段階への移行は、かなり時間がかかると思う」

今後を楽観視はできないという思いは、ガザの人々も強く抱いていることです。

“2年間で5回避難”アマル・アブ・アッシさん(28)
“2年間で5回避難”アマル・アブ・アッシさん(28)
「停戦崩壊のおそれはあります。誰も私たちを気にかけません。苦しむのは私たちだけで、話し合って決めるのは、外の人たちです。平穏な人生を、時間を、以前のような暮らしを返してほしい。誰も助けてはくれなかったが、それでも幸せに暮らしていたんです」
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