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ABEMA NEWS

2025年10月17日 08:31

「ロンドンSUMOフィーバー」の熱量は? 現地記者「塩をまくだけで大歓声」「すべての取組が終わっても観客は帰らない」

「ロンドンSUMOフィーバー」の熱量は? 現地記者「塩をまくだけで大歓声」「すべての取組が終わっても観客は帰らない」
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 日本時間の16日から34年ぶりにイギリスで大相撲ロンドン公演が始まった。

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 5400席の会場は満員御礼。観客らは迫力ある取組に釘付けになっていたが、現地の“熱量”などについてANNロンドン支局・立田祥久記者に聞いた。

 相撲が行われた会場について立田記者は「ロイヤル・アルバート・ホールは1871年に建設されたホールで普段はオペラやミュージカルなどが開催される由緒ある場所だ。そんなホールの前に『ロンドン公演』『横綱』などと日本語で書かれた幟がたくさん立っている。開演前には太鼓が鳴らされ、ロイヤル・アルバート・ホールの周辺が昨夜はさながら国技館のような雰囲気になっていた」と説明した。

 ロンドンでの“相撲フィーバー”については「今朝、イギリスの有力紙・ガーディアン紙スポーツ面の一面をはじめ、新聞各紙が昨日の取組を取り上げた。街中でも、今月になってロンドン市内の地下鉄や大通りなど様々な場所で相撲に関する広告が掲載されるようになった。また、ビッグベンやバッキンガム宮殿でもファンに囲まれていた」という。

 関取の様子については「長旅で疲れた様子ではあったが、現地の子どもが『ようこそ』といった日本語のボードを掲げて待つなどの『歓迎ムード』で声援が送られると笑顔を浮かべていた」と話した。

イギリス人は相撲の文化や精神性を理解している?

土俵を作る様子

 そんなロンドンには十数の相撲クラブがあり、トレーニングが行われている。

 ロンドンと日本相撲のつながりについては「今年、イングランド出身の15歳の若者が日本に渡り、湊部屋に入って研修を受けている。もし力士となれば史上2人目のイギリス出身の力士となると話題だ。イギリスでの相撲人気の背景には日本でのヨーロッパ出身力士の活躍があるという。近年は大関だった琴欧州や把瑠都、現在はウクライナ出身で小結の安青錦など、ヨーロッパ出身の力士の活躍によって、イギリスでもYouTubeなどを通して相撲を見る方が増えている。そういった盛り上がりもあり、イギリスでは一昨年に初めて全英相撲選手権が開かれたほどだ」と説明した。

 イギリスの方々は他のスポーツと異なる相撲の文化や精神性を理解しているのだろうか?

 立田記者は「昨日の相撲中継を見ていても、力士が土俵で塩をまくだけでも日本では考えられないような大きな歓声が上がっていた。また、全ての取組が終わってすぐ帰るのではなく、取組後の土俵でのパフォーマンスというか、神事、弓取式を最後まで本当にじっと見ている方が多くいた。相撲の取組の勝ち負けだけではなく、その奥にある精神性などに注目しているように感じた。イギリスの伝統を重んじる国民性を垣間見たような気がする」と述べた。 (ニュース企画/ABEMA)

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