2泊3日に渡る日本訪問を終えたアメリカのトランプ大統領。アジア歴訪最後の国、韓国へ飛び立ちました。
29日午前11時半過ぎ、釜山に到着。出迎えたのは、レッドカーペットと楽団でした。ここで大統領専用ヘリ『マリーンワン』に乗り換え、今年のAPECサミットの開催地・慶州(キョンジュ)に向かいます。
到着したトランプ大統領を出迎えた李在明(イ・ジェミョン)大統領。首脳会談の場所に設定されたのは、国立慶州博物館です。
慶州(キョンジュ)は、1000年以上前、新羅の首都として栄えた地。
王は、権力の象徴である枝をあしらった金の冠で、自らの絶対的支配を誇示していたといいます。その黄金の冠のレプリカをトランプ大統領にプレゼント。さらに、韓国で最高位となる勲章も贈られました。アメリカ大統領として、初めてのことです。
「韓国の国民が、特別な感謝の気持ちで差し上げるものです」
アメリカ トランプ大統領
「実に美しい。すぐに身に着けたい」
韓国の歴史上、2度も国賓として韓国に招かれたのも、トランプ大統領だけです。
首脳会談では、こう述べました。
「大統領就任後、9カ月しか経っていないのに、これまで世界8カ所の紛争地域に平和をもたらしました」
「驚きだった。まずは歓迎ぶりだ。そして、アメリカ大統領として、唯一、授かった栄誉は素晴らしかった」
これほどの歓迎ぶりをみせている理由ですが、韓国は関税をめぐり、日本以上の厳しい立場に置かれているからだとみられます。
25%の“トランプ関税”をつきつけられた韓国は、一度は15%への引き下げで合意はしたものの、対米投資をめぐる条件で折り合うことができませんでした。そのため、アメリカに輸出される自動車には、25%の追加関税が続いていて、経済へのダメージが日に日に大きくなっている状況です。
国内では、関税合意への反発も起きています。トランプ大統領の訪問に反対する人々が集会を開いていました。
韓国が関税引き下げの見返りとして要求されている対米投資は3500億ドル、約53兆円です。これは、韓国の国家予算の7割に相当します。
「韓国に『3500億ドルを出せ』と。それでは国が滅びてしまうでしょう」
デモ参加者
「交渉というより明らかに略奪じゃないか。取り交わすものがあるべきだ。韓国は得しないのに、アメリカだけが得する」
デモ参加者
「合意をしてしまったら、覆すのは難しくなる」
1時間半に及んだ今回の首脳会談。進展があったようです。
その後行われた夕食会で、トランプ大統領は、こう述べました。
「 きょうは韓国と素晴らしい会議ができた。決意に満ちた会議だった。合意は、ほぼまとまった。貿易協定だ」
韓国側は、こう説明しました。
「日本は5500億ドルですが、韓国は3500憶ドル。そのうち2000億ドルだけが“現金投資”です。年間投資限度は200億ドルと明示しました。事業の進捗にあわせた分散投資です」
自動車関税は、15%まで引き下げで合意。投資の年間限度額が、アメリカの要求より低くできたため、経済への影響は少ないと韓国政府はアピールしています。
これでトランプ大統領は、今回のアジア歴訪の最大の焦点に集中できることになります。
今月、関税闘争が再燃した米中の首脳が、30日、直接会談します。
「習近平主席とは、多くの課題を解決し、素晴らしい会談になるだろう。(Q.楽観視しているか)大いに楽観している。状況はある程度、把握している。中国と話し合ってきた。ぶっつけで会談にのぞむわけではない」
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