6年ぶりに顔を合わせた大国のトップ。会談直前にはトランプ大統領が核実験の再開を指示したことを明らかにするなど緊張が高まるなか、最後に笑ったのはどちらでしょうか。
焦点は通商・貿易問題
トランプ大統領を乗せたとみられるヘリコプターが釜山に到着しました。金海空港に着陸します。
その釜山の金海空港に、中国の習近平国家主席も到着しました。6年ぶりの直接会談です。
「間違いなく、とても成功した会談になるだろう。だが彼は手ごわい交渉相手だ。それは良くないね」
焦点は通商・貿易問題。
「私たちはすでに多くの点で合意をしているが、これからさらにいくつかの合意ができるだろう」
これに対し、習主席は…。
貿易戦争は休戦になるのか?
米中両国は今年、対立を激化させてきました。きっかけは、もちろん“トランプ関税”。
これに対して、中国は報復関税を課したほか、アメリカからの航空機などの輸入や、圧倒的なシェアを誇るレアアースの輸出で規制を強化してきました。
果たして貿易戦争は休戦になるのでしょうか。
2人が出てきたのは午後1時前、習主席の顔には笑みが浮かんでいます。そして、会話を続けながら、しっかりと握手を交わしました。
すぐに帰国の途に就いたトランプ大統領。ホワイトハウスは、機内での記者とのやり取りの音声を公開しました。
「非常に多くの点で合意ができた。大豆や他の農産物は、すぐに購入されることになる」
大豆はアメリカの農産物の中で最大の輸出品。そして去年、そのおよそ半分の126億ドル分を買ったのが中国です。ところが今年は5月から購入が止まっていました。
さらに中国が世界生産量の7割を占めるレアアースの輸出規制については。
「レアアースの問題はすべて解決した。障壁は解除された。もはやレアアースに関しての障壁は全くなくなった。1年間(の規制解除)での合意で、毎年延長される予定だ」
トランプ大統領は、中国が合成麻薬フェンタニルの原材料の取り締まりを強化するとして、一部の関税を引き下げるとも話しました。
専門家は、貿易戦争を仕掛けたトランプ大統領が「すり寄った形」だとみています。
「一番大きかったのが、レアアースの問題。レアアースの禁輸をちらつかせたことで、アメリカ側が中国側に、いわば『すり寄った』と。4月にいったん、レアアースのうち3種類の輸出規制が強化されたが、これだけでアメリカ経済界はかなり悲鳴を上げた。10月は、15種類のレアアースに関して輸出規制をする方針を中国が発表したが、これを回避できたということは、アメリカとしてホッとしているというのが実情だと思います」
日本の高市総理も30日、APEC首脳会議に出席するため韓国に入り、この後、日韓首脳会談に臨む予定です。
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