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ABEMA NEWS

2025年10月30日 20:30

トランプ氏「10点満点の12点」と自画自賛も「勝者」は中国? 台湾に触れなかった米中会談の“内実”を解説

トランプ氏「10点満点の12点」と自画自賛も「勝者」は中国? 台湾に触れなかった米中会談の“内実”を解説
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 30日、韓国で米中首脳会談が行われた。トランプ大統領は「10点満点の12点」と話したというが、「中国側の評価」と「会談で中国が得たもの」について、中国にいるANN中国総局 冨坂範明総局長に聞いた。

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 中国では会談結果をどのように伝えているのか?

 冨坂氏は「会談が始まる前から中国側では『中国のほうが有利に物事を進めている』という見方が多かった。レアアースについても主導権をしっかり握っているほか、様々な製品について輸出先・輸入先を多角化し『グローバルサウス』『一帯一路』という自国に有利な枠組みを作り上げているからだ。先ほど、発表された会談内容でも『貿易問題での共通認識に達した』と成果を強調している」と説明。

 今回の会談での中国側の具体的な成果については「これまで20%かけられていた『フェンタニル関税』を10%に減らすことに成功した。また、アメリカが実施しようとしていた輸出規制対象企業の子会社にまで規制を広げる方針を1年延期させた。さらに、アメリカが実施しようとしていた中国船に対する入港税の徴収も1年延期させた。中国としては、自らはあまり身を切ることなく、大きな成果を得られたという印象だ」とした。

 トランプ大統領は10点満点中12点の「大成功」としたが、中国側としても会談は成功だったのか?

 冨坂氏は「中国としても『会談は成功した』と思っていると思う。貿易摩擦の面で様々な成果を得たことはもちろん大切だが、『トランプ大統領に台湾のことを言及させなかった』ことが非常に重要だ。なぜなら習近平国家主席は台湾統一を最大の目的に掲げており、それに向けた環境整備を進めたいからだ。来年のトランプ大統領の訪中も見据え、アメリカとの対立をコントロールし、台湾問題は『あくまで内政問題』として余計なコミットをさせないことに今後も注力していくとみられる」と説明した。

(ニュース企画/ABEMA)

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