国際

報道ステーション

2025年10月31日 01:33

6年ぶり対面も…米メディア“関係冷え込んだまま”米中首脳会談

6年ぶり対面も…米メディア“関係冷え込んだまま”米中首脳会談
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アメリカのトランプ大統領は、中国の習近平国家主席と6年ぶりに対面しました。関税をめぐって駆け引きが続いていた2つの大国の緊張緩和となったのでしょうか。

関係改善へ…歩み寄りの姿勢も

トランプ大統領にとってはアジア歴訪のクライマックスです。

アメリカ トランプ大統領
「会えてうれしい」
中国 習近平国家主席
中国 習近平国家主席
「再会できてうれしい」
アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
「こちらこそ。実りの多い会談になるに違いない。手ごわい相手なので、こっちはつらいね」

そう軽口を言って、ほほえみかけますが、習近平国家主席はあまり反応しません。前回、顔を合わせたのは6年前のこと。その時の握手は短く終わりました。今回、トランプ氏は硬く手を握り続けます。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
「偉大な国の指導者である習主席と長く素晴らしい関係を築けるだろう。ご同席いただき光栄に思う」
中国 習近平国家主席
中国 習近平国家主席
「トランプ大統領の再選以来、私たちは電話で3回話し、いくつかの書簡を交わし、緊密な連絡を保ってきた。世界の2つの経済大国として、時には摩擦が生じる。ごく普通のことだ」
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なぜ?直前に核実験実施を指示

一方で、直前には中国へのけん制とみられる動きもありました。2人が握手する1時間前、SNSにある投稿がありました。

トランプ大統領のSNS
トランプ大統領のSNS
「他国が核実験を実施しているため、私は戦争省に同等の核実験を開始するよう命じた。その手続きは直ちに始まるだろう」
核実験

アメリカは1992年以来33年間にわたり核実験を行っていません。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
(Q.計画を変更して核実験を始める理由は)
「みんなありがとう」
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追加関税10% 引き下げ合意

関税やレアアースをめぐって貿易戦争を繰り広げてきた両国。話し合いは約1時間40分にわたって続きました。

レアアースの輸出規制

トランプ氏は今月、中国がレアアースの輸出規制を見直さなければ、来月1日から100%の追加関税を発動すると宣言していましたが、発表された合意内容では中国によるレアアースの輸出規制は1年間見送りに。また、アメリカが合成麻薬『フェンタニル』の流入を理由に、中国に課していた追加関税は取り締まりを条件に20%から10%に引き下げられます。

帰国する機内でトランプ大統領は上機嫌でした。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
「すばらしい会談だった。未解決の案件がほとんど残らなかったほどだ。今回の会談は10点満点で12点の出来と言っていい」

関税をめぐって揺れていた両国関係を収めたと自画自賛するものの。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
(Q.ウクライナ戦争や台湾問題については)
「基本的な協議はしたが…アジアの気流は荒いな」
(Q.核実験再開によってけん制したい国は)
「ひどく揺れる。質疑応答だけでも大変なのに、これじゃ命がけだな。みんな平気か?」

答えづらかったのでしょうか、一部の質問をはぐらかしました。

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米メディア“関係冷え込んだまま”

対立解消は先送り

ひとまず緊張緩和がされたものの、対立点の解消は先送りされた形です。アメリカメディアは厳しい分析も。

米 ワシントン・ポスト
米 ワシントン・ポスト
「防衛・経済問題などの摩擦のため、両国関係は今後も冷え込んだままになる可能性が高い」
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“対立”続く…主導権はどちらに

中国国民は結果をどう見たのでしょうか。

北京市民
北京市民
「関税の引き下げは庶民の生活にも恩恵があります」
(Q.トランプ氏が核実験の指示をしたが)
「これは悪いニュースです。中国の理念と大きく異なります」
「これまでの会談は中国が弱かったが、今回は強くなった。技術の発展で、我々は徐々に主導権を握るようになった」

残った課題は、来年に中国で行われる米中首脳会談で話し合われるとのことです。

中国総局長 冨坂範明
中国総局長 冨坂範明
「双方成果を得たように見えるが、レアアースで主導権を握っているのは相変わらず中国であり、台湾についてもアメリカに表立って言及させなかった点では、中国の方が成果を得たと言える」
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