夜の横断歩道を猛スピードで横切る車。ソウル市内の観光スポットで、日本人観光客の女性が飲酒運転の車にはねられ死亡しました。
飲酒運転「日本の6倍」なぜ?
事故の瞬間を捉えた映像です。横断歩道を渡るのは観光で訪れていた日本人の親子。そこに、猛スピードで白い車が突っ込みました。運転していた男は、泥酔状態だったといいます。
事故の影響でしょうか。ポールが根元から折れてしまっています。韓国メディアによりますと、この現場周辺には、親子のものとみられる化粧品の領収書も散乱していたということです。
事故は、「眠らない街」とも呼ばれるソウル市東大門(トンデムン)の交差点で起きました。
明け方まで営業するファッションビルや市場が立ち並び、深夜でも買い物を楽しめる東大門。日本人観光客にも人気のスポットです。
韓国で多発する飲酒運転。実に、日本の6倍もの事故が起きていました。
事故が起きたのは、2日の夜10時ごろ。日本から観光で訪れていた50代の母親と30代の娘が東大門駅付近の交差点を歩いて渡っていたところ、信号無視をした車が突っ込みました。
2人をはねた車は、その勢いのまま横断歩道を渡ったところにある公園に入っていき、ようやく停止しました。
横断歩道で親子2人をはねた車は、そのまま植木を乗り越えて、公園に入ったところで止まったとみられます。車の破片があります。照明はなぎ倒されてしまっています。
この事故で母親が死亡し、娘はひざの骨を折る重傷です。運転していた男は泥酔した状態だったといい、警察は男を危険運転致死傷などの疑いで逮捕しました。
「きのうの夜に来ました。日本人も歩いているなと思ったし、ここは観光名所なので、その場所で事故があって怖い」
「車も多いし、横断歩道を渡るのも怖かったりするので。事故も他人事じゃないなと思った」
実は韓国では、飲酒運転が社会問題化しています。
韓国では去年までの5年間で飲酒運転による事故が7万件以上起きています。死者はおよそ1000人に上っていて、大きな社会問題となっています。
日本と比較すると、この通り。韓国の人口は日本の半分程度ですが、飲酒運転による交通事故の件数は6倍を超えています。
韓国警察庁は飲酒運転を取り締まる動画を公開し、国民に注意を呼び掛けるなどしていますが、それでも事故が後を絶たないのが現状です。
「法律が弱いからだと思う」
「国の法律が弱いからだと思う。だから再犯も多い」
「酒を飲んでも、自分は事故を起こさないと過信しているからだと思う」
韓国政府や自治体は飲酒運転予防キャンペーンを展開し、事故の削減を急いでいます。








