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ワイド!スクランブル

2025年11月4日 18:00

スーダン内戦が泥沼化 大量虐殺も 人道危機に日本が果たす役割は?

スーダン内戦が泥沼化 大量虐殺も 人道危機に日本が果たす役割は?
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アフリカ・スーダンの内戦が激化するなか、病院が襲撃され460人を超える患者らが虐殺されたという。内戦が泥沼化している背景に、武器を流入させる各国の思惑も指摘されている。

混乱続くスーダンで何が?

 まずは、スーダン内戦の状況から見ていく。最初の衝突から2年半が経過している。

 戦闘を続けているのは、スーダン国軍と民兵組織のRSF=即応支援部隊だ。両者は2019年に協力して軍事クーデターを起こし、30年間独裁を続けた当時のバシル大統領を失脚させた。

 クーデター後の暫定統治組織の議長に国軍を率いるブルハン氏、副議長にRSFを率いるダガロ氏が就任し、民政移管やRSFの国軍への統合などが進められていた。

 ただ、この軍の統合を巡り両者は折り合えず、2023年に大規模な衝突が起き、現在も戦闘がエスカレートしている。

最新の戦況はスーダンが東西で分裂した状態
最新の戦況はスーダンが東西で分裂した状態

 最新の戦況は、スーダンが東西で分裂した状態だ。RSFは先月27日、ダルフール地方の主要都市ファシェルを制圧したと発表。ファシェルでは、WHO=世界保健機関が先月29日に病院で患者ら460人以上が殺害されたと報告している。

 戦闘では15万人以上が死亡したとみられる。およそ1430万人が国外に避難しているが、国際社会の関心が少ないため「忘れられた紛争」と言われている。

関係の深い各国の思惑
関係の深い各国の思惑

 戦闘が止まらない背景に、関係の深い各国の思惑があるという。

 国軍を支援しているとみられているのがエジプトだ。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルによると、エジプト政府から戦闘機やパイロットが供与されているという。

 また、朝日新聞によると、ロシアの民間軍事会社ワグネルが、金を対価にRSFに武器を供与していたという。

 一方でBBCによると、ロシアは国軍にも接近していて、2月に紅海沿岸にロシアの海軍基地を設置することで合意したという。

日本が果たす役割は?

2018年 日本は和平調停を全面的にバックアップ
2018年 日本は和平調停を全面的にバックアップ

 人道危機に対し、日本の役割も問われている。

 この地域で日本は何ができるのか。南スーダンは2011年にスーダンから独立した“世界一若い国”だが、日本は2011年から国連平和維持活動で南スーダンに自衛隊を派遣。現在も司令部要員の派遣を実施している。

 また、南スーダンでは紛争が続いたが、2018年の包括的な和平合意の際にも日本が協力している。南スーダンでは、大統領派と副大統領派の覇権争いで武力衝突が続き、東アフリカの地域機構IGADが調停してきたが、国連日本政府代表部の元公使参事官でスーダンの支援活動も行ってきた上智大学教授の東大作氏によると、日本は仲介活動の資金のすべてを拠出。和平調停を全面的にバックアップしたという。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年11月4日放送分より)

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