アメリカ南部ケンタッキー州で4日、貨物機が墜落しました。7人の死亡が確認されていますが、地上ではさらに多くの人が巻き込まれた可能性が指摘されています。
貨物機墜落 地上での被害甚大か
縦に数百メートルと広範囲にわたって立ち上る激しい炎と黒煙。
「近づくな。爆発するぞ。マジか。あれは助からないな」
「なんてこと、引き返そうパパ。火事が起きてる。なんてこと。ものすごい炎が迫っているパパ」
現場はアメリカ南部ケンタッキー州ルイビルにあるモハメド・アリ国際空港の近く。
「ゲートを離れた時点で運航停止になり空港が閉鎖された。パイロットから待つよう指示され、その後ゲートに戻り降ろされた」
直線状に上がる炎。墜落現場には自動車部品や廃棄物処理などの会社が立ち並んでいます。一時、空港から8キロ圏内に屋内退避命令が出されました。
7人死亡 行方不明者も…全容分からず
事故が起きたのは午後5時過ぎのこと。航空機追跡サイトによると、50メートルほど浮上したところで降下。最後に信号が確認されたのは滑走路の端から800メートルほどのところでした。墜落したのは世界的な物流会社UPSの貨物機でした。
「墜落機には3人が乗っていて、それ以外に4人の死亡を確認。現時点で死者は7人です」
けが人は11人。行方が分かっていない人もいるため、犠牲者の数はさらに増える可能性があります。
事故機はハワイのホノルル行きで、長距離フライトのため燃料は満タンでした。さらに、地元消防によると、墜落現場には石油リサイクル施設があり、そこでも爆発が起きたといいます。
「墜落現場にはいくつか企業もあるので、当時そこにいた正確な人数は分かりません。住宅もあり、入れる場所全てを捜索しています。広い範囲に影響が出て、1区画全てが火に覆われたため、一度調べた場所も入念に再確認をします」
墜落したのは『MD−11型機』。旅客機であれば最大400人ほどが乗れる機体です。1991年の製造で、当初はタイ航空の旅客機として使われていました。CNNによると、この機種は燃料の高騰によって次々と貨物機に転用されていったといいます。
「UPSの皆さんにお見舞いを申し上げます。この町がUPS同然で、私のいとこや部下の友人がUPSのパイロット。知り合いの誰かは必ずUPS関係者」
事故が起きた空港はUPSのハブ空港。1日に200万を超える荷物が処理される、貨物輸送量世界5位の一大拠点です。UPSは事故によって配送に遅れが出る可能性があるとしています。
墜落の原因はこれから調査ですが、焦点となりそうなのは飛び立つ前に左のエンジン付近から炎が上がっていたこと。
「国家運輸安全委員会の調査団は、高速回転するエンジン部品が飛び散り、エンジン・燃料タンクなどに壊滅的な被害をもたらし得る故障を疑う可能性が高い」
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